デザミス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 兼 CEO:清家浩二、以下「デザミス」)は、このたび新たな経営方針を策定し「Physical AI U-motion Platform」と「畜産GX」を両軸とした新たな事業展開を推進することを発表いたしました。

デザミスは創業以来10年にわたり、牛の行動モニタリングシステム「U-motion®」を通じて、畜産現場における飼養管理の効率化とデータ活用において生産性向上に貢献してまいりました。今後は、全国約30万頭超えの牛からリアルタイムに取得される行動データに加え、生産者の対応履歴や現場知見を継続的に蓄積、AI学習させることで「異常を知らせる仕組み」から、人・AI・ロボットの判断と行動を支える「Physical AI U-motion Platform」へと進化させます。

主要指標 — KEY FIGURES

30万頭
全国約30万頭超えの牛からリアルタイムに取得される行動データ
95
家畜排せつ物の「減容率約95%」
15兆円
生産性ロスは、世界全体で約15兆円規模に及ぶと推計されています。
12.3兆円
AIを活用した畜産経営支援市場は12.3兆円規模へ拡大すると見込まれ

さらに、家畜排せつ物を起点とする資源循環を実現する「畜産GX(グリーントランスフォーメーション)」事業を本格展開。すでに実証実験において家畜排せつ物の「減容率約95%」および「肥料資源(リン・カリウム)」の抽出に成功しているOHD(排せつ物処理装置)を中核とし、これまでの「牛の見守りセンサーの企業」から、「データ」と「資源」で世界の畜産経営を支える次世代のインフラ企業への進化を目指します。

デザミスが目指す未来ー新しい畜産インフラを創造する

1. Physical AI U-motion Platform ~行動データを活用した意思判断支援基盤へ~

デザミスが目指す「Physical AI」とは

一般的にPhysical AIとは、AIがロボットや設備などを通じて現実世界を認識・判断し、自律的に行動する技術領域を指します。世界では汎用型ロボットの実用化が進むなど、次世代の産業基盤として注目されており、日本政府の「危機管理投資・成長投資」17戦略分野※1においても「フィジカル AI」が位置付けられています。

デザミスが目指すPhysical AIは、ロボットそのものを開発することではなく、ロボットや人が牧場で適切に判断・行動するために必要となる「判断の基盤」を構築することです。

その基盤となるのが、デザミスが10年にわたり蓄積してきた牛の行動データ、生産者の対応履歴、そして現場知見です。これらの一次データをAIで学習・活用することで、生産者の意思決定を支援するとともに、将来、牧場で稼働するロボットやAIが最適な判断を行うための基盤となることを目指します。

畜産現場では、人手不足や飼養規模の拡大に伴い、一頭一頭の状態把握や適切な処置が年々難しくなっています。こうした生産性ロスは、世界全体で約15兆円※2規模に及ぶと推計されています。 また、AIを活用した畜産経営支援市場は12.3兆円※3規模へ拡大すると見込まれ、デザミスのデータ基盤を活用し、生産者の意思決定を支援する「Physical AI U-motion Platform」の構築を進めてまいります。

さらに、将来的には生産者の経営支援だけでなく、牧場で稼働するAIやロボットが適切な行動を判断するための基盤として、世界の畜産経営を支えるインフラとなることを目指します。

※1:政府が2026年7月21日に閣議決定した「日本成長戦略」では、官民連携による「危機管理投資」「成長投資」を重点的に進める17の戦略分野を設定しています。「フィジカルAI」は、このうち「AI・半導体」分野における主要な製品・技術等の一つとして位置付けられています。

出典:内閣官房「日本成長戦略本部/日本成長戦略会議」

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/index.html

2. 畜産GX~家畜排せつ物を新たな「資源と経済価値」へ~

畜産経営を圧迫する糞尿処理は世界共通の環境課題であると同時に、資源循環やカーボンクレジットなど新たな価値創出の可能性があります。排せつ物の処理コスト、肥料成分の未利用、温室効果ガス排出などにより、世界全体では約10兆円※4規模の環境・資源の損失が発生していると推計されています。

デザミスは、この課題を新たな価値創出の機会と捉え、OHDを中核とした畜産GX事業を推進。展開可能な資源循環・環境価値関連市場は約250兆円※5規模と見込まれており、排せつ物処理の効率化に加え、肥料資源化やカーボンクレジットなど新たな経済価値の創出を目指します。

実証結果をもとに、すでに複数の牧場等からOHD導入に向けた具体的な受注が進行しており、持続可能な畜産経営モデルの構築を進めています。

OHD減容実証詳細はこちら

※2~5:各市場規模および損失額は、公表統計・関連資料ならびに当社独自の前提条件に基づく試算。いずれも将来的な潜在市場規模を示すものであり、現在の市場規模や当社の売上予測を示すものではありません。2026年8月時点。

事業成長ロードマップ

デザミスは、段階的な事業のアップデートを通じて、新たな畜産経営基盤の構築を進めてまいります。

Physical AI U-motion Platformと畜産GXの成長

STEP1:見守りの自動化 ~AIで24時間365日管理、畜産DX促進~

2016年に開発した「U-motion」は、これまで人の目と勘に依存していた飼養管理をAIで管理することにより畜産DXを促進してきました。人手不足により一頭一頭の24時間監視が困難になる中、AIが牛の行動データをリアルタイムに分析し、発情や疾病の兆候を自動検知する仕組みを構築、人の目に代わってAIが異常を早期発見することで、生産者の見回り負担を大幅に削減し、生産性の向上を実現しています。

STEP2:現場オペレーションの実行支援 ~「次にすべき作業」を自動化し、業務を効率化~

異常を検知するだけでなく、現場作業における次の行動や判断を直接支援する、牧場運営のオペレーション基盤へと進化しています。

機能はさらにアップデートを続けており2026年7月には、分娩日などを起点に必要な作業予定を自動生成する「作業プログラム機能」や「カレンダー機能」を実装。これまで個人の記憶やホワイトボードに依存していた煩雑なスケジュール管理を、システムが「いつ、どの牛に、何をするか」を自動で提示して作業の抜け漏れを防ぐことで、生産者は煩雑な管理業務から解放され、より本質的な牛のケアに集中できる環境を提供しています。 こうした進化を経て、牧場全体のオペレーション管理をサポートしています。

STEP3:現場の入力作業の最適化~AI業務支援機能「U-コンシェルジュ」の実装~

AI業務支援機能「U-コンシェルジュ」を提供し、U-motionの利用方法に関する質問への回答に加え、AI-OCRによる個体識別番号の読み取ることで、個体情報の確認・登録作業などの入力の業務効率化を支援しています。今後は、個体情報の確認・登録に加え、各種入力作業、牛の状態の確認など、牧場現場の日常業務を支援する機能を強化していく予定です。

U-コンシェルジュ詳細はこちら

STEP4:経営の先読みで利益を最大化~U-motion Businessの実装へ~

U-motionから得られる一次データをもとに、生産者の対応履歴や経営に必要な請求書などのデータを統合し、AIが経営判断を支援する「U-motion Business」※の開発を進めています。

単なる原価計算やデータ可視化のためのツールではなく「現場で起こるあらゆる事象が、最終的に売上や利益にどう直結するのか」を可視化する経営者へ向けたツールです。

実装予定①:牛舎の稼働を最適化

牛舎の牛床の空き状況を正確に把握し、搾乳牛や乾乳牛の最適な入れ替えタイミングを提示。

設備の稼働率を常に100%に保つための動態計画をシステムが自動で導き出します。

実装予定②:自動予実管理で数か月~1年先の収支見通しを可視化

上記動態管理をベースに、数ヶ月〜1年の売上や経費の計画(PL)を自動で算出・可視化します。

設定された前提条件に基づく試算として、経営計画の見直しや資金管理を支援します。

実装予定③:市場データと連動した経営の意思決定の支援

市場価格や個体成績などを総合的に分析し、淘汰時期や種付け方法、飼料設計の見直しなど、経営改善につながる選択肢をAIが提示します。各施策が利益やキャッシュフローへ与える影響もあわせて可視化し、経営判断を支援を目指します。

U-motion連携によりさらに経営判断を高度に

これらの高度な経営判断は、U-motionが検知する「疾病兆候、起立困難、発情兆候」といった一次データと連動することで、その精度が大きく発揮されます。 「U-motion Business」を通じ、経営者の「判断」が、現場スタッフの「なぜ行動するのか」という経営を意識した行動へと自動で最適化されていく、これからの畜産経営に不可欠なインフラ設備を提供いたします。

2026年8月時点で実装を予定または検討している機能です。画面、機能、提供時期および効果は、今後の開発・検証により変更となる場合があります。

なぜ今、新たな経営方針なのか

上記のような経営方針を発表した背景には、長年抱えている畜産業界の深刻な課題にあります。

人手不足の深刻化や飼料価格の高騰、さらには持続可能な生産体制への要求など、かつてないほど複雑な課題に直面しています。 IoTの普及により飼養データを取得する環境は整いつつありますが、多くのシステムは「データの可視化」に留まっており、データをもとに「次にどう動くべきか」という最終的な経営判断は、依然として生産者の経験に委ねられています。

一方で、これまで牧場経営において「経営負担(コスト)」とみなされてきた環境対応となる排せつ物処理は、2026年より開始されるカーボンクレジット制度の活用などにより、新たな「経済価値」を生み出す機会へと変わりつつあります。※

デザミスは、AI技術の劇的な進化と環境価値の重要性の高まりを最大の成長機会と捉えています。さらに、自社で推進してきたOHDの実証実験を通じて、環境課題を確実な「経済価値」へ転換できる技術的な裏付けを得たことから、生産者の「持続可能な畜産経営」と「環境対応の価値化」を直接的に支援する、新たな経営基盤の構築を決定しました。

2026年度から排出量取引制度を本格稼働。農林水産省は、これに伴いJ-クレジットの需要にも影響が及ぶとし、農業分野における同制度の活用拡大を推進 出典:農林水産省「令和8年度農業分野のJ-クレジット創出推進支援事業の公募について」

https://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/kanbo/260209_303_1.html

今後の展開

世界の畜産業は、生産性向上と環境負荷低減の両立が求められる転換期を迎えています。特に、日本で先行して顕在化している人手不足や生産コストの上昇、環境対応といった課題は、今後世界各国でも共通する課題になると考えています。また、AI技術の進展により、将来的にはAIやロボットが牧場で判断や作業を担う時代の到来が期待されています。その実現には、現場で蓄積された高品質な一次データと、生産者の知見を学習した判断基盤が不可欠です。

デザミスは、これまで「U-motion」を通じて構築してきたデータ基盤を核に、生産者の意思決定を支援する「Physical AI U-motion Platform」を進化させるとともに、家畜排せつ物を資源へ転換する「畜産GX」を推進することで、生産性向上と環境価値の創出を両立する新たな畜産経営モデルの実現を目指します。

今後も、AI・ロボット・設備・人が連携する次世代の牧場運営を支える基盤を構築し、日本で培った知見と技術を世界へ展開することで、「世界の畜産経営を支えるインフラ企業」として、持続可能な畜産業と食料の安定供給に貢献してまいります。

会社概要

デザミス株式会社

代表取締役:清家浩二

本社所在地:東京都江東区青海 2-7-4 the SOHO 417

HP:https://www.desamis.co.jp

本件に関するお問い合わせ

デザミス株式会社 CEO室 広報担当:今

Tel:03-6380-7239

Email:[email protected]

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:企業戦略
  • 関連組織:デザミス株式会社