船舶追跡サイト「MarineTraffic」によると、イランと米国の脆弱な停戦合意以降、ホルムズ海峡を通過した非イラン籍のタンカーは9日が初となった。ガボン船籍のタンカー「MSG号」がアラブ首長国連邦産の重油約7000トンを積み、インドへ向けて航行したものの、この海峡の物流は依然として不安定な状態が続いている。

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は、中東紛争によるエネルギーコストの高騰やサプライチェーンの分断が世界経済の成長を阻害すると指摘。IMFは緊急支援金として最大500億ドルが必要になると試算しており、少なくとも4500万人が食糧不足に直面する可能性があると警告した。

サウジアラビアでもエネルギー施設への攻撃が相次ぎ、日量約60万バレルの原油生産減少やパイプライン流量の制限が発生している。これを受け、基準となるブレント原油先物価格は上昇傾向にある。

日本政府は10日、高市早苗首相主宰の閣僚会議を開き、5月上旬から国家石油備蓄をさらに約20日分放出する方針を決定した。3月中旬からの第1弾に続く措置であり、国内での重油不足や関連物資の流通停滞への懸念に対応する狙いがある。

また、紛争の影響は観光業にも及んでいる。タイ・バンコクのナナー地区など、中東系観光客を主な顧客とするエリアでは、客足がパンデミック時のような水準まで激減しており、旅行業者や商店が深刻な打撃を受けている。タイ政府の統計によると、2月の中東からの観光客数は前年比で半分以下にまで落ち込んでいる。

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  • 出典:中央社 CNA
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