カシスト、JACIC機関誌に寄稿
職人育成DX支援ソリューション「カシスト®」を提供する株式会社カシスト(本社:鹿児島県鹿児島市、代表取締役:吉松 良平、以下「カシスト」)は、一般財団法人日本建設情報総合センター(以下「JACIC」)が2026年9月4日に発行した機関誌「JACIC情報」134号(特集:i-Construction 2.0の深化と普及にむけて)に、「i-Construction 2.0を支える『技能教育のオートメーション』―現場における暗黙知の型化と、育成就労時代の教育インフラ設計」と題した論考を寄稿しました。
本寄稿では、ICT建機や自動施工などハード面のオートメーションとともに、現場で働く人の技能教育を仕組み化することが、i-Construction 2.0を幅広い施工現場へ実装していくための「もう一つの車輪」になると提起しています。
また、カシストの関連会社である株式会社TSグループでの実証成果を紹介するとともに、熟練職人の暗黙知を型化した育成の仕組みを、将来的に業界共通の「安全・教育DXインフラ」へと発展させていく構想を示しました。
背景:ハードの自動化だけでは届きにくい「小規模事業者」と「人材育成」
国土交通省が2024年4月に発表した「i-Construction 2.0」は、2040年度までに建設現場の生産性を1.5倍に高めることを目標に、施工・データ連携・施工管理のオートメーション化を進める取り組みです。JACIC情報134号の特集でも、i-Construction 2.0をより広く普及させるうえで「スモールスタート」が一つのテーマとして取り上げられています。
一方、国内の建設施工企業のうち、約94%を「従業員19名以下」の小規模事業者が占めています(出典:総務省・経済産業省『経済センサス‐活動調査』)。こうした事業者にとって、数千万円規模のハードウェアへの投資は容易ではありません。加えて、新たに始まる「育成就労制度」などを背景に、外国人材の受け入れ拡大が必須となる中、現場が直面している大きな課題の一つが「職人の育成」です。
吉松が日頃から施工会社の経営者と話す中で、よく聞くのが、「育成の大切さは痛いほど分かっている。すでに育成された即戦力がいれば、200万〜300万円の採用費を払ってでも欲しい。だが、自社でゼロから体系的に教える時間も、コストも、ノウハウもない」という声です。
こうした「即戦力は欲しい。しかし、自社で育てることが難しい」というジレンマを、個々の事業者だけの問題ではなく、業界全体で向き合うべき構造的な課題として捉えたことが、今回の寄稿の出発点です。
カシスト-未経験の人間を安全かつ最速で戦力化
寄稿のポイント
① i-Construction 2.0を支える「もう一つの車輪」
i-Construction 2.0では、ICT建機や自動施工などハード面のオートメーション化が進んでいます。一方、施工を担うのは最終的には「人」です。寄稿では、未経験者や外国人材を安全かつ早期に戦力化できる教育の仕組みを整えることを、ハードの自動化を補完する「技能教育のオートメーション」と位置づけています。
② 「見て覚えろ」のOJTから、再現できる育成の仕組みへ
建設現場では、ベテランの経験や感覚に依存したOJTが多く、「手順通りにやれ」「見て盗め」といった指導になりがちです。しかし、熟練職人の動きには、手順書には表れない「暗黙知」が数多く含まれています。
例えば塗装では、ベテラン職人は、「刷毛を生卵を握るくらいの力加減で握る」「対象物との適切な距離を保つ」「塗料が適量含まれたときの『音』を聞き分ける」といった微細な調整を、経験の中で無意識に行っています。こうした角度・姿勢・目線・音・距離・力加減などを具体化・型化せずに、紙の手順書をそのままデジタル化するだけでは、こうした暗黙知までは十分に伝えられません。
寄稿では、熟練者の暗黙知を抽出・可視化することで、指導者個人の経験だけに依存しない、再現性のある育成の仕組みに変えていく必要性を論じています。
カシスト®︎-従来のOJT育成とカシスト®︎育成との比較
③ 予習・実践・振り返りを循環させ、習得プロセスをシステム化
カシスト®は、単なる動画マニュアルではありません。寄稿では、従来の「見て覚えろ」という育成から脱却し、人が技能を習得するプロセスそのものを仕組み化する方法として、次のサイクルを紹介しています。
現場で使う共通言語や道具の名称・役割を事前に学ぶ
角度・姿勢・目線・音・距離・力加減などの暗黙知を抽出・可視化した動画で予習・復習する
実際の現場で実践する
習得度確認クイズなどで振り返る
スマートフォンでの予習・復習と現場での実践を組み合わせ、このサイクルを繰り返すことで、OJTだけに依存しない育成環境を構築しています。
カシスト®︎-いつでもどこでも何回でも繰り返し学べる環境
④ 個社の育成DXから、業界共通の教育インフラへ
寄稿の最終章では、こうした育成の仕組みを一企業だけのものにとどめず、技能カテゴリーごとの育成プログラムとして整備し、業界全体へ広げていく構想を提示しました。
公共工事におけるCORINSを例に、国やJACICが主導する形で、暗黙知を型化した「安全・教育DXインフラ」の標準育成環境を整備・普及していくことを提言しています。
施工現場での実証成果:1年でベテランの75%相当の基礎スキルを習得
カシスト®の仕組みは、当社関連会社で、吉松が代表を務める株式会社TSグループの施工現場で実証を重ねてきました。
その結果、以下のような成果が得られています。
外国人材・未経験者が、普段よく使う基礎スキルについて、1年でベテランの75%相当の施工スピードと精度を習得
共通言語の理解と事前の視覚的インプットにより、指示の理解不足によるヒヤリハットが激減し、指導する側の負担も半減
導入から3年で、離職率が33%から14%へ、19ポイント低下
年間売上高が、導入前の3,578万円から3年後に7,161万円へ、約2倍
カシスト®︎-離職率改善と売上UP
※上記は株式会社TSグループにおける実証結果です。
CORINSのような、業界共通の「安全・教育DXインフラ」へ
今回の寄稿では、個社における教育DXの実践に加えて、今後の業界全体を見据えた構想についても提言しています。公共工事における「コリンズ(CORINS)」が、公的主導による全国共通の情報基盤として定着してきたように、国やJACICが主導する形で、熟練者の暗黙知を型化した「安全・教育DXインフラ」を技能カテゴリーごとに整備・普及していくという考え方です。
さらに、こうした標準化された教育環境を適切に導入・運用する企業に対し、外国人材の受け入れ枠や評価面でインセンティブを設けることで、企業の育成体制を評価に反映する仕組みについても提案しています。
職人を採用するだけではなく、外国人材や若手人材を安全かつ確実に育成できる体制を持つ企業を増やしていく。その育成の仕組みを、業界全体のインフラとして整備していく構想です。
株式会社カシスト 代表取締役 吉松 良平 コメント
「i-Construction 2.0が目指す生産性向上を、全国の小規模施工会社にも広げていくためには、ハードの自動化と同時に、“人が育つ仕組み”を整えることが重要だと考えています。私自身、現場で人材育成に向き合う中で、『人が悪いのではなく、仕組みが悪い』と考えてきました。
今後は、現場にある熟練者の暗黙知を一つずつ型化し、技能カテゴリーごとの育成プログラムとして整え、企業や団体の皆さまと実証を重ねていきます。そうした積み重ねを、将来的に業界で共通して使える教育インフラにつなげていく。その一翼を担いたいと考えています。」
職人育成・技能承継に課題をお持ちの企業・団体の皆さまへ
カシストでは、未経験者・外国人材の育成や技能承継に課題をお持ちの企業・団体の皆さまからのご相談を受け付けています。
施工会社・専門工事会社・ゼネコンなど、建設事業者の皆さま
自社の技能をどのように言語化・型化し、若手や外国人材の育成につなげるか。カシスト®の導入や、自社の技能に合わせた育成プログラムづくりについてご相談いただけます。
業界団体・行政・教育機関の皆さま
技能カテゴリーごとの育成プログラムの共同実証や、会員・地域企業向けの研修・講演など、業界や地域単位での育成の仕組みづくりについてご相談いただけます。
カシスト®の導入・共同実証・連携に関するお問い合わせ
https://www.kashisuto.com/contact/
メディアの皆さまからの取材・インタビューについても、同フォームよりお問い合わせください。
掲載誌「JACIC情報」について
誌 名:JACIC情報 134号
特 集:i-Construction 2.0の深化と普及にむけて
発行日:2026年9月4日
発 行:一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)
掲 載:Part 4「民間企業等の取り組み」
寄稿タイトル:i-Construction 2.0を支える「技能教育のオートメーション」―現場における暗黙知の型化と、育成就労時代の教育インフラ設計
執 筆:株式会社カシスト 代表取締役 吉松 良平
JACIC情報: https://www.jacic.or.jp/books/jacicjoho/ki_main.html
一般財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)について
建設事業に役立つ情報システムの調査研究・開発・運用と、建設情報の提供・普及を通じて、建設技術の向上と建設事業の効率化に取り組む一般財団法人です。
公式サイト: https://www.jacic.or.jp/
株式会社カシストについて
会社名:株式会社カシスト(英文社名:Kashisuto Co., Ltd.)
代表者:代表取締役 吉松 良平
設立:2025年2月10日(株式会社TSグループよりスピンアウト)
資本金:925万円
所在地:
鹿児島本社:〒899-2701 鹿児島県鹿児島市石谷町2413-11
東京オフィス:〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目13番6号2F
事業内容:
職人育成DX支援ソリューション「カシスト®」の開発・提供
技能承継動画教材の企画・撮影・制作
外国人材向け多言語教育設計
教育成果の可視化・評価制度設計支援
受賞歴:
全国クラウド実践大賞2023「大賞」(職人企業初)
鹿児島県ビジネスプランコンテスト2024「大賞」
CCA STARTUP CONFERENCE 2025「最優秀賞」
公式サイト:https://www.kashisuto.com/
吉松 良平|“職人育成DX”挑戦家
カシスト - 吉松 良平
株式会社カシスト 代表取締役/株式会社TSグループ 代表取締役/JDX公式アンバサダー
“見て覚えろ”では伝えきれない現場の勘どころを、抽出・定量化・動画化する。外国人や若手が、即戦力として現場に立てる世界を目指し、現場から教育の次元を更新し続ける挑戦者。陸上自衛隊で学んだ短期育成の技術をベースに、建設業に25年従事。うち20年を職人経営者として現場に向き合い、2013年から株式会社TSグループ内で職人技術のマニュアル化と教育の仕組み化を推進。2023年より「職人教育DX」を事業化し、2025年にスピンアウトして株式会社カシストを創業。カシストの強みは、ベテラン職人の“動きのコツ”という暗黙知を独自技術で抽出・定量化し、誰でも繰り返し学べる動画教材に変える力。若手の事故ゼロ教育・即戦力化を支援し、離職率・教育負担・属人化課題に挑み続けている。
登壇実績 ・日本板硝子様「職人施工会社の為のDX超実践ノウハウ」 ・鹿児島経済大学「DX時代に働くが進化する」 ・ユーミーコーポレーション全国大会「職人×DX×多様性の実践」 ・福島県郡山市DX推進協議会主催-DXセミナー ・宮崎県都城市DX推進協議会主催-DXセミナー ・建設業向け安全大会、その他地方自治体主催DXセミナー 等
主要指標 — KEY FIGURES
本件に関するお問い合わせ先
カシスト® 広報担当:吉松 お問い合わせフォーム: https://www.kashisuto.com/contact/
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:press_release
- 関連組織:株式会社カシスト / JACIC / 一般財団法人日本建設情報総合センター