国内2作品との実践を通じて、舞台芸術のアクセシビリティを担うプロフェッショナルを育成

株式会社precog(東京都新宿区)は、文化庁委託事業「令和8年度障害者等による文化芸術活動推進事業」の一環として、舞台芸術の企画・制作・劇場運営に携わる人を対象とした実践型人材育成プログラム「STAGE for ALL 2026」を開催します。

障害者差別解消法の改正による合理的配慮の提供の義務化など、舞台芸術の分野でもアクセシビリティへの関心が高まりつつあります。一方で、舞台芸術の現場では、音声ガイドや字幕、手話通訳などのアクセシビリティを企画・運営できる人材や、実践を学ぶ機会は依然として限られているのが現状です。

「STAGE for ALL」は、こうした課題に応えるために昨年度始動した実践型の人材育成プログラムです。舞台芸術の現場に関わる幅広い人々を対象に、国内外の実践や実践者との対話を通じて、「誰に、どのように作品を届けるのか」を創造的に考え、実践できる人材の育成を目指しています。

2026年度は、国内2作品と連携し、受講者が実際の公演現場でアクセシビリティの企画・運営を学びます。さらに、専門家との共同リサーチで国内外の先進事例を調査し、その成果を公開講座で発信します。

<STAGE for ALL 2025の様子(左:ワークショップ講座〈奈良〉(撮影:山神美琴)、中央・右:ワークショップ講座〈東京〉(撮影:縣健司))>

株式会社precog代表/パフォーミングアーツプロデューサー 中村 茜 コメント

わたしたちは、アクセシビリティや情報保障について、2019年頃から実践を重ねてきました。7年足らずですが、日本でもこの領域の基礎知識や専門性が広く普及し、基盤整備が進み始めた時期と重なり、毎年知見を更新しながら、技術的にも思考的にも新たなチャレンジを積み重ねてきました。

アクセシビリティも情報保障も、作家・作品に極めて近しい存在であり、創造的な活動の延長にあります。そのため正しい「解」はなく常にトライ&エラーを繰り返しながら知見を蓄えています。また、こうした取り組みをマジョリティ側の建前的な配慮で終わらせず、「当事者」と対話しながら形づくる、より公平な実践へいかに育てていけるかという問いも大切にしています。

このような経験や思考・実践のプロセスをより広く共有することで、鑑賞環境だけでなく、創作環境そのものも変化していくことを期待しています。

STAGE for ALL 2026の特徴

1. 国内2作品と連携し、実際の公演現場でアクセシビリティの企画・運営を学ぶ実践型プログラム

本プログラムは、企画制作者、劇場スタッフ、舞台技術スタッフ、アクセシビリティコーディネーター、アーティスト、俳優、ダンサーなど、舞台芸術の現場に関わる幅広い人々を対象に開催します。

受講者は実際の公演現場で、事前のディスカッションから、公演当日の運営、終了後の振り返りまで一連のプロセスを経験します。実践を通してアクセシビリティ設計の考え方や運営上の課題への理解を深める全国でも珍しいプログラムです。

2. 海外の先進事例を公開講座で発信

専門家と連携し、各国の文化芸術関係者、障害当事者団体、カンパニー、専門家へのヒアリング調査を通じて、アクセシビリティを作品づくりや劇場運営に組み込む事例を収集。海外で広がる実践を調査・分析し、日本ではまだ十分に共有されていない実践や考え方を公開講座で広く発信します。

プログラム概要

本プログラムでは、テーマの異なるAコース・Bコースの2つのコースを開講します。各コースは全5講座に加え、実際の公演運営に参加する実践プログラムで構成されています。前半は、実践者によるクロストークや海外事例から学ぶオンライン講座、後半は実践講座と公演運営を通して、アクセシビリティの企画・運営を実践的に学びます。

各コースの定員は15名です。定員に余裕がある場合は、Aコース・Bコースの両方を受講いただくことも可能ですので、ご希望の方はお申し込み時に「両方受講したい」をご選択ください。

コース受講者は、原則として各コースの全5講座に加え、連携公演での本番運営にも参加していただきます。各コースにつき上限1万円の交通費補助があります。やむを得ず参加できない日程がある場合は、事前にご相談ください。

なお、各コースの前半の2つのオンライン講座は公開講座として実施し、コースを受講しない方も単独で受講いただけます。

詳しくは【募集要項】をご覧ください。

Aコース | 公演のアクセシビリティ設計と運営を実践的に学ぶ

芸術を享受する権利は、誰もが等しく保障されるべきものです。音声ガイドや字幕、舞台手話通訳など、舞台を楽しむために必要な情報保障は、特別なサービスではなく、当たり前の環境として実現されていく必要があります。しかし現状、舞台芸術の現場では、予算や制度、知識や人材の不足など、さまざまな障壁があり、十分な対応がなされているとは言えません。

アクセシビリティを後から追加するものではなく、作品づくりの初期の段階から組み込むものとして捉え直すためには、どのような視点が必要なのでしょうか。また、演出家や出演者、制作者、舞台技術スタッフ、アクセシビリティ監修者やアクセシビリティコーディネーターなど、多様な立場の人々はどのように連携していけるのでしょうか。Aコースでは、こうした問いを出発点に、作品ごとのアクセシビリティ設計・運営を学びます。音声ガイド制作者、視覚障害当事者がアドバザーとして実践講座に並走します。

オンライン講座

第1回 9月2日(水) 19:00~21:00|オンライン(Zoom)

日本のパフォーミングアーツをアクセシブルにするための視点と方法

~舞台技術スタッフ×アクセシビリティ監修者×制作者 対談~

舞台芸術におけるアクセシビリティは、音声ガイドや字幕、手話通訳などを公演後に付加するだけではなく、作品づくりや劇場運営のプロセスの中に組み込んでいくことが求められています。

本講座では、アクセシビリティ監修者・廣川麻子氏、舞台技術スタッフ・平井徹氏、プロデューサー・中村茜氏によるクロストークを通して、日本の舞台芸術における現状や課題、実践の方法を共有します。創作・技術・制作の各領域がどのように連携し、作品の可能性をひらくアクセシビリティを実現していけるのか。そのために必要な視点や具体的な取り組みについて考えます。

【登壇者】

廣川麻子(NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク 理事長)

平井徹(KAAT神奈川芸術劇場 舞台技術課)

中村茜(株式会社precog 代表/パフォーミングアーツプロデューサー)

進行:長津結一郎(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授)

第2回 9月4日(金) 19:00~21:00|オンライン(Zoom)

海外事例に学ぶ「創造的なアクセシビリティの実践とそのプロセス」

STAGE for ALLリサーチチームが、各国の文化芸術関係者、障害当事者団体、カンパニー、専門家へのヒアリング調査を通じて、アクセシビリテ

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
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  • 製品・サービス:STAGE for ALL 2026 / アクセシビリティ人材育成プログラム