Atlassian Teamwork Lab は、6カ国12,035名のナレッジワーカーおよび172名のフォーチュン1,000企業経営幹部を対象とした大規模調査の結果を発表しました。

本調査では、AIが個人の作業スピードを押し上げる一方で、チームの連携、意思決定、優先順位の整合性に新たな負荷を生み出している実態が明らかになりました。AI時代の真の競争優位は単なる実行速度ではなく、チームとしての連携力にあることを提言しています。

調査で明らかになった課題

1. **リーダーたちは AI のもたらすスピードの罠に陥っている** 経営幹部の89%がAIによって作業スピードが向上したと回答する一方、コラボレーションが改善されたと回答したのはわずか48%にとどまりました。AIは個人の生産性を飛躍的に高めていますが、チーム全体での連携には同じ効果を発揮できていない実態が浮き彫りになりました。

2. **ROIを証明できない経営層** AI投資のROIを明確に示せると確信している経営幹部はわずか6%58%はROIの測定方法すら分からないと認めています。その主因は、企業のAI戦略の67%が個人レベルまたは特定領域に偏重し、チーム単位での活用に焦点を当てているのはわずか24%に過ぎないためです。

3. **拡大するAI活用能力の格差** 経営幹部の55%は、AIによってチーム間のパフォーマンス格差が拡大したと回答。ナレッジワーカーの85%がAIを利用しているものの、日常ワークフローに実際に組み込んでいるのは29%にとどまり、AIを「チームメイト」として活用できているのは15%に過ぎません。

4. **データ負債が信頼の危機を招く** AIツールの精度を全面的に信頼しているナレッジワーカーはわずか22%69%が自社のデータおよびナレッジ基盤はAI向けに最適化されていないと回答しており、データ品質の問題がAI活用の障壁となっています。

5. **年間1,610億ドルの「分断の代償」** 戦略なきAI導入によって生じる重複作業、優先順位の不一致、連携の混乱は、フォーチュン500企業において年間推定1,610億ドルの損失を生んでいます。

トップチームが実践する「3つの柱」

調査の結果、AIを活用して持続的な成果を上げているトップチームは、以下の3つの柱を実践していることが明らかになりました。 - **1. コンテキスト:** チーム間で明確なゴールを共有し、人間とAIエージェントがアクセス可能な信頼できるナレッジ基盤を構築する。(効果: ゴール不整合の発生率が12分の1に低減) - **2. ワークフロー:** 人間とAIエージェントの役割を明確にし、チーム横断の作業フローを設計する。(効果: AI活用の整合性が13倍向上) - **3. 文化:** 継続的な学習と実験を奨励し、人間とAIの協働を推進する組織風土を醸成する。(効果: AIをチームメイトとして活用する可能性が2.3倍高まる)

チーム単位のAI戦略への転換

本調査の結果を踏まえ、Atlassian Teamwork Labでは企業に対し以下を提言しています。 - **個人最適から「チーム最適」への転換:** AI戦略の焦点を個人の生産性から、チーム全体の連携品質へとシフトすべきです。 - **共有コンテキストの整備:** 人間とエージェント双方がアクセスできる、一元化されたナレッジベースと明確な目標設定が、AI活用の前提条件です。 - **ワークフロー全体の再設計:** 人間とエージェントのコラボレーションを前提としたワークフロー全体を再構築すべきです。 - **AI活用能力の格差解消:** 人材への継続的なAI学習投資なくして格差は拡大する一方です。

なお、本調査の内容は2026年6月16日(火)に開催するAtlassian Team on Tourイベントでも紹介する予定です。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:調査
  • 関連組織:Atlassian
  • 製品・サービス:Atlassian Teamwork Lab