エジプト労働省は1日、エジプト人女性が海外で雇用主の住宅内で行う仕事(家政婦、調理師、看護師、管理人など)および、カフェやレストラン、ナイトクラブ等での飲食物提供や接客業務に従事することを即時禁止すると発表しました。
ハッサン・レダッド労働相は、この禁令の目的について、海外で働くエジプト人女性の尊厳を守り、「安全で尊厳ある」雇用機会を確保するためだと説明しました。エジプトの有力紙アル・アハラムによると、海外の人材紹介機関が不適切な職種を斡旋する事例が報告されており、政府はこうした労働者が法的な保護が不十分な環境で搾取や虐待を受けることを懸念しています。
エジプトでは2006年にも同様の禁令が出されましたが、2011年の「アラブの春」以降、経済状況が悪化し、近年の通貨安やインフレも重なったことで、国内での雇用機会が減少。結果として禁令は形骸化していました。今回、政府が再び禁令を打ち出したことで、世論は真っ二つに割れています。
SNS上では、「女性が国内で仕事を見つけられない場合、どうやって生計を立てればいいのか」「働くことは個人の自由であるはずだ」「仕事に貴賎はなく、働かずにいることの方が恥ずかしい」といった批判的な意見が相次いでいます。その一方で、政府の決定を支持し、海外での女性の尊厳を守るための賢明な措置だと評価する声も根強く存在します。
現在、約1,000万から1,400万人のエジプト人が海外で働いており、その7割がサウジアラビアやクウェート、UAEなど湾岸諸国に集中しています。海外からの送金は輸出に次ぐ重要な外貨獲得源であり、2025年の送金額は前年比40.5%増の415億ドルに達しました。このように海外労働力はエジプト経済を支える柱となっており、今回の禁令が及ぼす経済的影響を懸念する声も高まっています。
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- 出典:中央社 CNA
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