中研院経済研究所は本日、「台湾消費者予想と政策反応調査」の結果を発表した。それによると、米伊戦争の発生により国際エネルギー価格が上昇し、消費者のインフレ予想が高まっている。2026年3月の調査では、63.17%の消費者が1年後の生活コストが上昇すると予想しており、平均予想上昇率は8.77%に達している。
中研院経済研究所は2023年10月から「台湾消費者予想と政策反応調査」を試行している。この調査では、消費者物価指数(CPI)の変化と消費者の実感との間にズレがあることから、CPIだけでなく生活コストの変化予想も併せて測定している。
この調査は2026年から半年ごとから四半期ごとに変更され、毎年3月、6月、9月、12月に実施されている。サンプルは中央研究院人文社会科学研究中心のネット調査会員データベースから抽出され、性別、年齢、地域における代表性がサンプリング、重み付け、統計検定によって確認されている。
中研院経済研究所は、2026年3月以降、米伊戦争が国際エネルギー価格を押し上げ、激しい変動をもたらしたと指摘している。これにより輸送費や石油関連原材料コストが上昇し、国内物価に上昇圧力がかかっている。政府が国際エネルギー価格の国内伝達を大幅に緩和しているものの、CPIは3月から上昇し、5月と6月には年率2%のインフレ警戒ラインを超えて上昇を続けている。6月の新台湾ドル建て輸入物価指数の前年同月比上昇率は23.07%に達しており、外部コストの衝撃が国内インフレに明確な上昇圧力を与えていることが示されている。
今回の調査期間は2026年3月11日から3月29日までで、有効サンプル数は2324人。調査結果によると、63.17%の消費者が1年後の生活コストが上昇すると予想しており、平均予想上昇率は8.77%である。そのうち、交通・エネルギー支出および食費(外食を含む)の平均予想上昇率はそれぞれ15.87%と12.54%に達している。
中央研究院経済研究所の楊淑珺研究員は、3月のCPI前年同月比上昇率が1.20%と比較的低い水準にとどまっているものの、1~2月の平均1.23%とほぼ同水準であると指摘。調査結果から、消費者のインフレ上昇予想がすでに高まっており、その後の実際のCPI上昇に先行していると分析している。
住宅価格の予想に関しては、30.65%の消費者が半年後の価格がほぼ横ばいになると予想しているが、53.11%は3月調査時よりも価格が高くなると予想している。住宅市場は第7次信用規制後、明確に冷え込み、取引量は大きく減少し、価格も調整されているが、半数以上が住宅価格上昇を予想しており、期待が反転していないことがわかる。ただし、平均予想上昇率は2.04%に収束している。
政策反応に関する調査では、3月のテーマとして1万元の現金給付の使い道を調査し、限界消費性向(MPC)の初期推計値は0.29となった。併せて実施された固定電話と携帯電話による調査(有効サンプル数2216)ではMPCは0.15と推計されており、2023年10月の6000元給付時の0.16とほぼ同水準である。全体として、2回の現金給付のMPCはいずれも1を大きく下回っており、消費刺激や内需拡大への効果は限定的である可能性を示唆している。
楊淑珺研究員は、「給付自体が無意味とは言わないが、効果を高めるには条件を設ける必要があり、無差別給付(普発)戦略では限界がある」と指摘している。
また、中研院経済研究所が2026年6月に実施した政策調査では、出産・育児の意思に関する調査も行われた。初期の重み付けなしの結果では、出産・育児を望まない主な理由の上位3つは「育児コストが高すぎる、または給与が低く経済的に負担できない」「住宅価格が高すぎる」「もともとの生活スタイルが変わるのが不安」であることが明らかになった。
結果から、高い育児コストと低い賃金に加え、住宅価格の高騰も出産・育児をためらう重要な要因であることが示された。政府が少子化対策を講じる際には、住宅価格の抑制を含む長期的な対策を同時に検討すべきであると指摘されている。また、12%の消費者は、子ども1人あたり月額5000元を18歳まで支給する制度が出生意欲を高めるインセンティブになると回答している。一方で、35%の消費者は、月額1万元の給付でも出産・育児のインセンティブにはならないと考えている。(編集:楊蘭軒)2026年7月13日
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:調査