中央社報道
(中央社記者 王承中 台北15日電)民進党の立法院議員・林俊憲氏は本日、内務部警視庁や海上保安署などの機関が、差勤管理用の生体認証設備を調達する過程で、中国のエントロピー・ベース社の製品を使用している疑いがあると指摘した。これにより、多数の公務員の生体特徴データが情報セキュリティリスクにさらされ、国家の安全保障に穴が開く恐れがあるとしている。警視庁は、現在すでに該当設備の使用を停止しており、情報セキュリティ上の問題は確認されていないと発表した。
林俊憲氏は本日、立法院にて「顔認証・指紋情報が完全に暴露!政府の差勤設備が国家の危機を招く」と題する記者会見を開き、台湾の業者が中国のエントロピー・ベース社の生体認証機を自社ブランドとして販売している疑いがあると明らかにした。過去10年間で、このような設備が政府の入札案件16件で採用されており、顔認証や指紋認証機が政府機関の差勤管理に使用されてきたという。
林氏は、警視庁、海上保安署、税関署、中油会社など、国家の安全保障に関わる重要な機関が調達先であると指摘。生体特徴データが悪用された場合の影響は甚大であると警告した。
特に、2023年(民国112年)の警視庁「差勤生物識別機調達案件」を例に挙げ、設備の外観や台湾業者の製品説明、中国エントロピー・ベース社の公式製品紹介を比較した結果、外観写真が一致しているだけでなく、台湾業者の説明書には「Uディスク」「ファームウェア」などの中国語用語がそのまま残っていると指摘。製品の出所に強い疑念があるとした。
さらに、国家通信伝播委員会(NCC)の形式認証資料を調査したところ、台湾業者の製品審査報告は、中国エントロピー・ベース社の同製品のラベル変更版である疑いがあると指摘。また、設備の製造業者として登録されているのは「ARMATURA TECH CO., Ltd.」だが、公開資料によると、この会社は中国エントロピー・ベース社が99.98%の株式を保有する子会社であることが判明。中国製であることを隠して調達規制を回避している疑いがあると批判した。
また、林氏は、各機関が「センシティブまたは国家の安全保障(情報セキュリティを含む)に疑念がある」とされる生体認証設備の調達をどう判断しているかについて、基準が統一されていないと指摘。警視庁はこれを「センシティブ調達」と認定しているが、海上保安署、税関署、警視庁保安第一総隊は「非センシティブ」と認定していると述べた。
林氏は、関連設備を調達したすべての政府機関に対し、直ちに設備の出所を調査し、データの外部流出がないことを確認するよう要求。また、デジタル発展部情報セキュリティ署は、個人情報収集に関わるすべての設備を一律で「センシティブ調達」と定義し、各機関が独自に判断しないよう明確に規定すべきだと訴えた。
さらに、行政院公共工事委員会に対し、調達制度の見直しを求めた。センシティブな調達案件については、最低価格を重視するのではなく、「最も有利な入札」の精神に従い、低価格のOEM製品が政府機関に流入するのを防ぐべきだと提言した。
会見に出席した警視庁人事室主任の劉永福氏は、警視庁の差勤システムは内部ネットワークであり外部と接続していないため、現時点では情報セキュリティ上の問題は確認されていないと説明。すでに該当設備の使用を全面停止しており、メーカーに完全な産地説明を求め、情報セキュリティ署に確認を依頼していると述べた。今後、全面的な見直しを行い、所属機関に対しても調達法および関連規定に従った調達を徹底するとしている。(編集:蘇志宗)1150715
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:ニュース
- 関連組織:エントロピー・ベース(ZKTeco) / ARMATURA TECH CO., Ltd.
- 製品・サービス:生体認証システム / 差勤管理システム