1940年4月9日、ナチス・ドイツ軍はデンマークへ侵攻し、ドイツ政府は「占領を受け入れれば国内政府の存続を認める」と迫りました。軍の抵抗の提言を退け、国民の命と財産を守るためにデンマーク政府は屈服を選びました。この侵攻はわずか4時間で終わり、第二次世界大戦で最も短期間の軍事行動の一つとなりました。この屈辱的な歴史は、後にトランプ米大統領がグリーンランド買収問題を巡りデンマークを挑発する際にも引き合いに出されました。
占領下では農産物がドイツに徴収され、言論や出版の自由も奪われました。これに反発したデンマーク国民は1940年から1945年にかけて、地下出版や不服従運動、妨害工作、ユダヤ人の亡命支援、さらにはナチス協力者の暗殺といった抵抗活動を展開しました。
「デンマーク抵抗博物館」では、5人の実在の人物の物語を通じて当時の状況を再現しています。そこでは、抵抗者の勇気だけでなく、当時の社会情勢の中で個々人が直面した苦渋の選択や、白黒つけられない複雑な現実が描かれています。博物館スタッフのラース氏は、この過去は現在のデンマーク人にとっても大きな教訓であり、沈黙を守りがちな体験者の意志を継ぎ、若い世代に歴史を伝えることが重要だと語ります。彼は「1940年のような過ちは二度と繰り返さない。現在のデンマークは当時よりも強固な軍事力を持ち、NATOなどの同盟国もあるため、決して容易には降伏しない」と強調しました。
なお、大戦中、約850人の抵抗運動家が命を落とし、そのうち102人が軍事裁判で死刑となりました。また、デンマーク国民は国内の約7000人のユダヤ人をスウェーデンへ亡命させることに成功しました。デンマークでは毎年4月9日に半旗を掲げ、占領終了を祝う5月4日の夜には、暗闇に抗った抵抗精神と自由への渇望を称えて窓辺にキャンドルを灯す習慣があります。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
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