2022年に金馬奨終身成就賞を受賞した映画監督・撮影監督の頼成英氏が逝去した。文化部長の李遠氏は、同氏の受賞を「遅すぎた評価」と振り返り、かつて多くの監督から熱望された名カメラマンであり、自らも映画監督として活躍した功績を強調した。侯孝賢監督や陳坤厚監督らが彼の作品で副監督や脚本、撮影を担当したことは有名で、侯孝賢監督の初脚本作品『桃花女鬥周公』でも頼氏が監督を務めていた。
李遠氏は、自身の脚本デビュー作『男孩與女孩的戰爭』で監督を務めたのが頼氏であったと回想する。当時すでに大物監督であったにもかかわらず、頼氏は新人脚本家であった李氏の元へ足繁く通い、親身に議論を重ねてくれたという。「非常に謙虚で、権威をひけらかすことのない恩人だった」と李氏はその人柄を偲ぶ。
1931年台中生まれの頼氏は、1950年に農業教育電影股份有限公司(中央映画公司の前身)に入社。1955年の『山地姑娘』で撮影監督として独り立ちし、1958年には日本へ渡りカラー撮影と現像技術を習得。帰国後、その技術を台湾へ持ち帰った。その後、李行監督との長期的な協力関係を築き、生涯で70本以上の撮影作品と約18本の監督作品を残した。代表作には『養鴨人家』『啞女情深』『秋決』などがある。
1975年からは監督業にも本格進出し、侯孝賢らを育成しながら数々の作品を手がけた。文化部は、頼氏が台湾映画界の発展に大きく貢献し、貴重な資料を国家映画視聴文化センターへ寄贈したこと、また口述歴史プロジェクトにも積極的に協力した功績を高く評価。その功績と模範を称え、総統に褒賞を申請するとしている。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:人事
- 関連組織:農業教育映画股份有限公司(中影の前身) / 国家映画及び視聴文化センター