国史館は本日午後、「戦後台湾政治事件:鄭南榕事件史料編纂」5巻の新書発表会および座談会を開催した。国史館の陳儀深館長は挨拶の中で、1980年代は台湾の権威主義体制が揺らぎ、党国体制が崩壊へと向かった時代であり、鄭南榕が運営した雑誌『自由時代』が当時の治安当局を翻弄した事実はその象徴であると述べた。「美麗島事件」後の民主化運動において多くの党外(野党系)雑誌が誕生したが、『自由時代』は最も頻繁に発禁処分を受けながらも、最も長く運営された雑誌の一つである。

陳氏は、公開された史料から治安当局による度重なる動員や監視体制の実態が浮かび上がると指摘した。『美麗島』誌を除けば、これほどまでに執拗な監視を受けた党外誌はなく、それだけ『自由時代』の影響力と鄭南榕の不屈の意志が強大であったことを示している。

また、37年前の今日は台湾政治史において忘れられない日であり、鄭南榕が理想実現のために焼身自殺を遂げた1989年を振り返った。陳氏は、鄭南榕を「行動する思想家」と呼び、党国権威に抗い自由を勝ち取ろうとした彼の悲壮な姿は、二度と複製できない反対運動の規範であると讃えた。さらに、現在の台湾を取り巻く不安定な情勢に対し、国民は今こそ彼から行動のバトンを引き継ぐべきだと訴えた。

鄭南榕の未亡人である葉菊蘭氏は、公開された記録の中には歪曲や事実と異なる責任転嫁の記述も含まれており、遺族にとってこれらを読み解くことは非常に苦痛であると心情を吐露した。また、密告者の視点で書かれた内容をそのまま鵜呑みにせず、当時の時代背景を正しく理解するための補足的なアプローチを国史館に求めた。

娘の鄭竹梅氏は、真相に少しでも近づくことができたことで心の一つの重荷が下りたと語った。一方で、政治档案は国家の視点で作成された偏った内容も含まれるため、当時の報道や口述資料と照らし合わせながら総合的に判断する必要があると強調した。また、真相解明に向けた作業は時間が経つほど困難になるため、今進めることの重要性を訴えた。

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  • 出典:中央社 CNA
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