中国の井泉駐フィリピン大使が3月、フィリピンと中国の海警当局間で協力に向けた覚書草案が完成に近いと明らかにしたことを受け、南シナ海での摩擦が絶えない中、フィリピン国内の一部から懸念の声が上がっていました。フィリピン沿岸警備隊(PCG)のタリエラ報道官が、PCGは協議に関与していないと述べたことが憶測を呼びましたが、フィリピン外務省は昨晩、声明を発表し、議論が「不透明」であるとの指摘を否定しました。

声明によれば、PCGのガバン司令官は今年1月に外務省に対し、中国海警局との交渉経過を報告し、覚書草案を提出した上で、中国側の意向確認を依頼していました。外務省は、両当局が2016年に締結した「合同委員会」設立に関する覚書を2024年から更新・修正していると説明しています。

外務省は、修正の焦点はあくまでPCGと中国海警局間の意思疎通の制度化にあり、共同パトロールのような政治的敏感な領域は含まれないと再三強調しました。これはマルコス大統領が掲げる「中国との意思疎通の維持」という方針に沿ったものであり、フィリピン側は国連海洋法条約(UNCLOS)および2016年の仲裁裁判所の裁定に基づき、主権と管轄権を断固として守り抜く姿勢を維持しています。

3月下旬に福建省で開催された第11回南シナ海問題二国間協議メカニズム(BCM)でも、海警間の意思疎通が主要議題となりました。外務省は、これらの交渉プロセスは国家安全保障担当顧問や外相、PCG司令官ら主要な官僚に適宜報告されているとしています。

さらに外務省は、南シナ海の紛争海域における石油・ガス共同開発についても、マルコス大統領の指示に基づき、外交ルートを通じて中国と接触することを排除しない姿勢を示しました。なお、政治評論家のリチャード・ヘイダリアン氏は南華早報への寄稿で、米国の同盟国であるフィリピンが、外交戦略の中で慎重にバランスを取りつつ対中姿勢を調整している状況を指摘しています。

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  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:ニュース
  • 製品・サービス:意思疎通メカニズム