台湾ではデジタル変革が進む中、AI活用と脱炭素化が政府・企業の最重要課題となっている。炭素税制度が昨年施行されたことに伴い、今年5月、温室効果ガスの大量排出事業者が初めて納付を行うこととなった。環境省の試算によれば、初年度の税収は約45億台湾ドル(約210億円)を見込んでおり、うち40.5億台湾ドルを減炭技術への補助金や地方自治体の気候変動適応策に充てる予定である。
「炭素税徴収弁法」に基づき、年間2万5,000トン以上の温室効果ガスを排出する電力・ガス供給業や製造業が、昨年1年間の排出量に基づき納付する。基本税率は1トンあたり300台湾ドルだが、自主的な削減計画を提出し環境省の承認を得た企業には、優遇税率(A:50台湾ドル、B:100台湾ドル)が適用される。
統計によると、430工場が削減計画を申請し、403工場が承認された。うち優遇税率Aが64社、優遇税率Bが339社となっている。環境省気候変動署の蔡玲儀署長によると、製鉄所などは石炭ボイラーから天然ガスやバイオ燃料への転換を進めているほか、動力設備の改善やチラーの更新など、省エネ投資も活発化している。
税収の使途については、気候変動対策の推進、減炭技術への補助、公正な移行支援、融資利子の補填などが挙げられている。また、中東情勢による燃料価格高騰を受け、物価安定策に協力する企業については、申請により納付期限の延長や分割納付を認める柔軟な措置も用意されている。環境省は、現在の制度で既に具体的な減炭効果が表れているとし、安易な税率引き上げは行わない方針を示した。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:ニュース
- 原文内の日付:今年5月末まで