香港のアーティストb.wing氏が、台北のギャラリー「陋室五月小風景」にて個展「私たちは皆、幸福の王子」を開催した。彼女が台湾で個展を開くのは約20年ぶりとなる。中央社のインタビューに応じたb.wing氏は、今回の来台について「以前とは異なる心地よさを感じており、歳を重ねて流行を追うよりも、自分らしく快適な状態を大切にしたいと思うようになった」と語った。
本展では、過去20年間にわたり描き溜められた41作品が展示されている。アクリル絵具や油性パステルが塗られたキャンバスには、ルーズリーフや裏紙、梱包用の段ボールなど、日常の素材が使われている。幼少期、仕事で多忙な母親に代わり、壁や身の回りの紙に絵を描いていた習慣が現在の創作スタイルに繋がっているという。
黒い隈が特徴の少年「A仔」は、2003年にティッシュに描かれたのが始まりだった。当時、オフィスのコピー用紙の裏に描き続けていた彼女は、後に自身の作品を持って「agnès b.」のギャラリーへ自ら売り込みに行き、創業者本人の目に留まったことで本格的なキャリアをスタートさせた。2011年からは香港の映画館で「A仔」がマナー広告のキャラクターとして採用され、多くの市民に愛される存在となった。
作品の中の「A仔」は常に孤独だ。b.wing氏にとって「A仔」は家族であり友人であり、また自身の孤独な一面を投影した存在でもある。彼女は「幼い頃から、なぜ自分がここにいるのかという漠然とした暗い感情を抱いていた。A仔がその感情を受け止めてくれることで安心できる」と明かした。
個展のテーマとなったオスカー・ワイルドの童話『幸福の王子』になぞらえ、彼女は「すべてを捧げた後に残る魂の姿」を表現したいと語る。b.wing氏にとって「A仔」を描き切ることは、自身の人生の使命でもあるようだ。本展は5月24日まで開催されている。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:イベント
- 関連組織:agnès b.
- 原文内の日付:2011年 (映画館での放映開始) / 5月24日まで