【ニューヨーク/サンフランシスコ22日】ロイター通信が入手した内部メモによると、Metaは米国従業員のPCにマウスの動き、クリック、キー入力の履歴を記録する新しいトラッキングソフトを導入しました。同社は、これを自律的にタスクを遂行可能な「AIエージェント」の開発計画の一環であると説明しています。
「モデル能力プロジェクト(MCI)」と呼ばれるこのツールは、業務アプリやウェブサイト上で動作し、不定期に従業員のスクリーンショットを撮影します。AIにメニューの選択やキーボードショートカットの使用、ワークフローの切り替えといった人間の操作を学習させることが目的です。Metaの技術責任者アンドリュー・ボスワース氏は、AIエージェントが主な作業を担い、人間がそれを指導・修正することでAIを改善していくというビジョンを従業員に語りました。
Metaの広報担当アンディ・ストーン氏は、収集されたデータはAI学習のみに使用され、従業員の業績評価には利用しないと明言しました。また、機密情報保護のためのメカニズムも構築していると述べています。しかし、専門家からは懸念の声が上がっています。イェール大学のイフェオマ・アジュンワ教授は、ホワイトカラーの従業員がより高度なリアルタイム監視に直面していると指摘しました。また、ヨーク大学のバレリオ・デ・ステファノ教授は、このような監視手法は欧州の一般データ保護規則(GDPR)に違反する可能性があり、イタリアやドイツなどの労働法に抵触する恐れがあると警告しています。
シリコンバレーでは、AIが複雑なタスクをこなすことで人件費を削減しようとする動きが加速しており、MetaやAmazonなどの大手テック企業による大規模な人員削減も続いています。今回の取り組みは、AI導入による業務効率化とプライバシー保護の境界線を巡る新たな議論を呼んでいます。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:調査
- 関連組織:Meta / Facebook / Instagram
- 製品・サービス:モデル能力計画 (MCI)