台湾内政部によると、空勤総隊では1名の機長を育成するのに約1億台湾元以上の費用を要するにもかかわらず、現在100名の定員に対して20名の欠員が生じています。退職者の多くは民間航空会社へ再就職しており、内政部は優秀な人材を確保するため、行政院人事総処に対し給与および専門手当の引き上げを強く要望しています。空勤総隊は、空中消火、救難、救護、偵察、輸送などの任務を担っており、過去20年間で12万回以上の出動を行い、8,866名を救助してきました。特に海巡署による海上救助や消防署による山岳救助の支援実績が多く、国民に対し山や海での活動時の安全管理を呼びかけています。また、老朽化したAS-365N(ドルフィン)ヘリコプターに対し、36億台湾元を投じて全デジタル・コックピット化と自動飛行・捜索救助(SAR)装備の導入を進めており、2030年末までのアップグレード完了を目指しています。人材不足の現状について、空勤総隊の林国強副総隊長は、民間航空会社からの引き抜きが相次いでいると指摘しました。空勤総隊のパイロットの月給が約13万~15万台湾元であるのに対し、民間では15万台湾元以上が支給されます。さらに、公務員制度上、定年まで勤めても受け取れる退職年金に限界がある一方、20年勤務後に民間へ転職すれば、年金を受け取りながら民間での給与を確保できるという構造的な問題が流出の背景にあります。内政部の呉堂安常務次長は、警察や消防の専門手当の引き上げと並行して、空勤総隊についても民間との賃金格差を縮めるべく調整を進めていると述べました。なお、救助費用有料化の議論については、救助を優先する現在の公的役割から法整備が必要であり、政府は今後も山岳地帯での安定した救助能力を維持するため、高性能なヘリコプターによる最善のサービスを継続する方針です。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:人事
- 製品・サービス:空中救難サービス / ヘリコプター(AS-365N, ブラックホーク)