【中央社ワシントン23日】2月末のイランとの紛争勃発以来、米軍は対中国用として備蓄していた長距離ステルス巡航ミサイルの約1100発を消費し、備蓄量は半分に減少した。また、トマホーク巡航ミサイルも年間調達量の10倍に相当する1000発を消費している。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、国防総省はアジアや欧州の司令部から中東へ弾薬や装備を緊急転送しており、これがロシアや中国といった潜在的敵対勢力に対する備戦能力を削いでいると米当局者は懸念している。内部推計では、愛国者(パトリオット)迎撃ミサイルを1200発以上、陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)を1000発以上消費し、在庫は枯渇に近い状態だ。
今回の紛争は、高額なミサイルへの過度な依存という課題を浮き彫りにした。特に防空迎撃弾の不足は深刻で、安価な自爆ドローン等の開発・導入を急ぐ必要性が高まっている。軍事的な影響はアジア方面で顕著であり、空母打撃群や海兵隊遠征隊が中東へ転用されたほか、在韓米軍のパトリオットやTHAAD迎撃弾までが中東へ移送された。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、こうした弾薬の大量消費により、短期間で台湾侵攻が発生した場合、米国の防衛計画が遂行できない恐れがあると報じた。当局者によれば、在庫の補充には最大6年を要する見込みで、国防戦略の見直しが迫られている。
戦略国際問題研究所(CSIS)は21日に報告書を発表し、防空兵器の消耗が極めて深刻であると警告した。報告書によると、THAAD迎撃弾は80%以上、パトリオットは60%以上が消費されており、専門家のマーク・カンシアン氏は「備蓄を回復させるには数年かかる」と指摘している。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:調査
- 製品・サービス:トマホーク巡航ミサイル / パトリオットミサイル