台湾経済研究院(台経院)は24日、最新の経済予測を発表した。中東での紛争といった不透明要因はあるものの、人工知能(AI)関連の旺盛な需要が台湾の景気を押し上げており、今年度の経済成長率予測を7.56%へと大幅に引き上げた。台経院景気予測センターの孫明徳主任は、AIの恩恵を受けている台湾経済を「神功護体(神がかり的な守りがある)」と表現した。

今回の予測値は、1月時点の予想から3.51ポイントの大幅増となった。主な要因は、AI需要の持続的な強さにより、半導体および情報通信産業が設備投資を拡大させていることにある。また、AI関連アプリケーションの進展や原材料価格の上昇、駆け込み需要などが輸出と受注を押し上げ、外需が顕著に強化された。

台経院の張建一院長は、中東情勢の不安定化の中でも成長率を上方修正できたのは、AIサプライチェーンの需要が非常に強く、特にB2B分野の占める割合が高いためだと説明した。市場では中東戦争は短期的なイベントと見られているが、AIは中長期的な投資を牽引する力があるため、台湾の景気は当面好調を維持すると見込んでいる。

一方で、中東情勢による国際的な原材料価格の高騰が輸入物価を押し上げ、インフレ懸念も浮上している。台経院は、政府が物価安定策を推進していることを踏まえ、2026年のCPI(消費者物価指数)上昇率を1.89%と予測した。これは前回予測より0.23ポイント上昇したが、インフレ警戒ラインである2%未満にとどまると見ている。

孫明徳主任は、供給面からのコスト上昇によるインフレには、中央銀行の利上げではなく、税制優遇や補助金といった政府による直接的な対策が有効であると指摘した。他方、中東の紛争が半年以上続くような事態になれば、スタグフレーションやシステマティック・リスクが生じる恐れもあるため、今後の動向には慎重な警戒が必要だとしている。

また、同日発表された3月の産業別の景気気候測驗点では、製造業が微減、サービス業は上昇、建設業は3カ月連続の下落となった。住宅ローン優遇政策「新青年安心成家貸款」の今後については、張建一院長は若者の住宅取得を支援する方針は維持されると見つつも、投機を防ぐ観点から貸付年数や上限額などの調整が行われる可能性があると示唆した。

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  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:調査