【中央社】台湾の野党・民衆党の立法院党団(議員団)は、個人の尊厳を守り、特定の臨床条件において尊厳ある死を選択する自主権を保障することを目的とした「尊厳死法案(尊厳善終法)」を提出しました。本日午前、立法院の本会議において本案が報告事項として審議され、与野党の異議なく社会福利・衛生環境委員会での審査に付託されることが決定しました。

同法案は全56条で構成されています。第1条では、個人の尊厳維持と、自らの死の迎え方を選択する自主権の保障を制定の趣旨として掲げています。法案には、尊厳死の対象となる要件、申請許可の実体的な条件、および申請手続きや契約締結に関する法定プロセスが詳細に定められています。

「尊厳死」の定義として、本人の自発的な意思に基づき、医師が生命の終結を直接実行する、あるいは医師が提供した手段を用いて本人が自ら終結させることを指します。また、中央主管機関には「尊厳死審査委員会」を設置し、申請案件の適法性や正当性を審査する仕組みを構築します。

制度の悪用を防ぐため、医師や医療・介護関係者が本人に対して尊厳死を勧誘することを厳禁としています。ただし、本人からの自発的な問い合わせがあった場合や、医師が病状および緩和ケアなどの医療選択肢を説明する際には、中立かつ完全な情報を提供することを認めています。

尊厳死の申請対象となる要件として、中華民国国籍を有し、完全な行為能力を備え、疾病による苦痛が耐え難く、かつ現在の医療水準では治癒や他の解決策が見込めない場合と定めています。

審査プロセスについては、本人の初回請求から10日以上、20日以内に完了させる必要があります。また、最終的な申請確認後には10日間の熟慮期間を設け、処方箋の交付や薬物準備にも少なくとも48時間の時間を要する規定を盛り込みました。実行時には医師が立ち会い、責任を持って医療行為を行うことが義務付けられています。

本日午前の立法院本会議では、本案に対する異議は出されず、予定通り担当委員会での専門的な審議へと進むことになりました。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:ニュース
  • 製品・サービス:尊厳死(安楽死)の合法化