【ワシントン中央社】英国のチャールズ三世国王は28日、訪米の一環として米国ハイテク業界のリーダーたちと会談し、スタートアップ企業が創業時に直面する課題について意見を交わしました。NVIDIA(エヌビディア)の黄仁勲CEOは、現在最も必要なのは活力あるベンチャーキャピタル(VC)エコシステムとスタートアップ文化であると強調しました。

ロイター通信によると、会談にはAmazon創業者のジェフ・ベゾス氏、Appleのティム・クックCEO、NVIDIAの黄仁勲CEO、AMDの蘇姿丰(リサ・スー)CEO、Salesforceのマーク・ベニオフCEO、Alphabetのルース・ポラット社長らが出席しました。

チャールズ国王は、大学の研究を基盤とするスタートアップが直面する問題や資金調達の難しさに言及し、「彼らは往々にして『死の谷』と呼ばれる過酷な状況に陥りやすく、最初のステップを踏み出すのが最も困難だ」と懸念を示しました。

黄仁勲氏は国王に対し、AIや量子ロボティクスなどの分野には大きなポテンシャルがあると述べ、「今、我々に必要なのは、活気のあるベンチャーエコシステムとスタートアップ文化だ」と提言しました。

これに対しチャールズ国王が「しかし、あなた方は全員、激しい競合相手同士ではないか」と冗談を飛ばすと、会場からは笑いが起こりました。黄氏が「命まで奪い合うことはありませんよ」と切り返すと、国王が「そうかな?」と即座に応じ、さらに会場が爆笑に包まれる一幕もありました。

ベゾス氏は、1995年にAmazonを創業した際、100万ドルの資金を調達するために奔走した経験を振り返りました。当時は40人の投資家に断られ、一度にわずか5万ドルしか集められないという厳しい状況だったと明かしました。国王はこれに「その40人は今、後悔してもしきれないだろう」と応じ、Amazonへの出資を見送った人々を、後に世界的ベストセラーとなった『ハリー・ポッター』の出版を拒否した多くの出版社になぞらえて会場を沸かせました。

なお、昨秋には米国の大手テクノロジー企業各社が、英国のAI、量子コンピューティング、原子力エネルギー分野に対し、今後数年間で計310億ポンドを投資する意向を表明しています。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:イベント
  • 関連組織:アマゾン / アップル / Salesforce
  • 製品・サービス:AI / 量子コンピューティング