中央社(北京)29日発のロイター通信によると、中国の新興企業DeepSeekが、ファーウェイのチップ上で動作する最新のAIモデル「DeepSeek-V4」をリリースしたことを受け、中国の大手インターネット企業がファーウェイの「昇騰(Ascend)950」シリーズAIチップの争奪戦を繰り広げていることが分かった。

関係者3名がロイターに明かしたところによると、ByteDance(字節跳動)、テンセント(騰訊)、アリババ(阿里巴巴)といった中国のIT巨頭が、ファーウェイに対し新型チップの調達に向けた交渉を行っている。また、クラウドコンピューティングやGPUリースサービスを手掛ける事業者らも積極的に購入を試みているという。

ロイターは、ファーウェイの950PRチップの性能は、米国NVIDIAが中国向けに供給を許可されている「H20」を上回っているものの、より高性能な「H200」には及ばないと指摘している。H200に関しては米中双方で輸出の承認が得られているものの、北京とワシントンの間で販売条件の折り合いがついておらず、中国企業への供給が滞っていることが、ファーウェイにとって追い風となっている。

米国の輸出規制によりNVIDIAの最先端チップを入手できない状況下、中国企業によるファーウェイ製チップへの回帰は、DeepSeek-V4の発表が中国製AIハードウェアへの需要を喚起したことを示している。DeepSeekは同モデルをファーウェイのチップ向けに最適化しており、米国製半導体への依存を減らし国産ハードウェアへ転換するという同社の戦略的転換は、技術的な自立を目指す北京の方針とも合致する。

DeepSeek側は、昇騰950チップを搭載したスーパーノードが大規模に供給されれば、今年後半には「V4-Pro」モデルの利用コストを大幅に引き下げられるとの見通しを示した。一方で、生産能力が追いつくまでは供給制限が続く可能性も認めており、中国国内における高性能AIチップの慢性的な供給不足が浮き彫りとなっている。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:新製品
  • 製品・サービス:DeepSeek-V4 / Huawei Ascend 950