中央社(ベトナム・ハノイ発)―高市早苗首相は5月1日から3日にかけてベトナムを訪問する。伊藤直樹駐ベトナム日本大使は、高市首相がハノイ国家大学で「自由で開かれたインド太平洋戦略」に関する演説を行う予定であり、ベトナムが掲げる「戦略的自律」と連携し、地域平和や経済安全保障における協力を深める意向であることを明らかにした。

伊藤大使は28日の記者会見で、今回の訪問が両国の包括的戦略的パートナーシップを新たな段階へ引き上げ、地域や地球規模の課題解決に向けた連携を強化するものだと述べた。今回の訪問は、埼玉大学大学院出身のベトナムの知日派リーダーであるレ・ミン・カイ首相の招待によるもので、高市首相にとっては総務相時代の2020年以来、2回目のベトナム訪問となる。

伊藤大使によれば、日本の首相が就任後1年以内にベトナムを訪問することはほぼ慣例となっており、日本がいかにベトナムとの関係を重視しているかを裏付けている。今回の目玉となる政策演説は、2020年以来の日本首相によるベトナムでの演説となる。

安倍晋三元首相が提唱してから10年が経過したFOIP構想だが、AI技術の発展やグローバルサウスの台頭、地政学的不透明感など、世界情勢は大きく変化している。高市首相はこうした時代の変化に対応するため、戦略のアップデートが必要だと考えており、特に強靭なサプライチェーン構築と経済安全保障が不可欠との認識だ。

日本側は、急成長を遂げ、国際的な地位を高めているベトナムとの連携が、FOIP実現のために極めて重要であるとしている。今回の訪問では、イノベーション・科学技術、エネルギー安全保障・戦略インフラ、外交・防衛および地域平和、人的・文化交流の4点を重点項目に掲げ、ベトナムの新たな成長モデルに貢献する方針を示した。

一方、ファム・クアン・ヒエウ駐日ベトナム大使は現地のメディアに対し、総選挙勝利からわずか3ヶ月でベトナムが東南アジア初の訪問先として選ばれたことは、日本の地域戦略においてベトナムの重要性が高まっている証左だと語った。ヒエウ大使は、両国が2023年11月に格上げした「アジアと世界の平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップ」を軸に、デジタル変革、グリーン転換、AI、人材育成といった分野での経済的な補完性と技術協力の強化を強調した。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:イベント
  • 原文内の日付:5月1日から3日
  • 製品・サービス:自由で開かれたインド太平洋戦略 / イノベーション