中央社記者廖文綺・台北報道(30日)――中国当局が29日、上海市に住民の金門・馬祖への観光旅行申請を許可すると発表したことに対し、台湾の行政院大陸委員会(陸委会)は、台湾側は「小三通(金門・馬祖と中国間の直接往来)」による中国人観光客の受け入れを制限したことは一度もないと表明した。しかし、中国軍による軍用機や軍艦での台湾周辺への威圧が続いている現状に加え、観光を「政治的武器」として利用する傾向があるため、台湾本島への観光受け入れについては、引き続き「小両会(台湾海峡両岸観光交流協会と海峡両岸旅遊交流協会)」を通じた協議が必要であると強調した。
陸委会副主任委員兼報道官の梁文傑氏は、30日の定例記者会見において、金門・馬祖への渡航について「台湾側は当初から条件を設けていない。同地域は地理的環境が閉鎖的であり、観光客受け入れによる社会的衝撃が比較的小さく、リスク管理が容易であるため、コロナ禍後に早期開放した」と説明した。また、今回の上海居民の解禁についても「特段の意見はない」と述べている。
一方、台湾本島への観光再開に関して協議を求める理由について、梁氏は近年の両岸情勢の変化を挙げた。コロナ禍以前には存在しなかった軍事的威圧が日常化している現状では、「我々は多くの要因を考慮せざるを得ない」と語った。特に中国側が農産物やECFA(両岸経済協力枠組み協議)に基づく免税品目に対し、政治情勢に応じて突然制限を加えるといった「養・套・殺(優遇で誘い込み、囲い込み、最後に切り捨てる手法)」のような不安定な対応を繰り返している点を指摘。「こうした反復的な行動は、解決すべき課題である」とした。
梁氏は「小両会」による協議の重要性として、観光の安全性、品質、公平性、そして何よりも「安定性」を挙げた。中国側の一方的な解禁や突然の停止によって、台湾の旅行業者らが過剰投資の末に大きな損失を被るリスクを回避しなければならないとし、本島への観光受け入れについては、政府間での対話を通じた合意が必要であるとの原則を改めて示した。
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- 出典:中央社 CNA
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