【中央社キーウ特派員 陳彦婷】
キーウ市内のカフェの密集度は、台湾のコンビニエンスストアに匹敵するほどです。調査によると市内の店舗数は2000軒を超えており、国際的なチェーン店よりも、街角のコーヒーキオスクや独立系のこだわりのカフェが主流となっています。通勤客が手にする紙カップから、地下鉄の出口に漂う焙煎の香りまで、コーヒーは都市のあらゆる場所に浸透しています。
ラテやカプチーノ、フラットホワイト、アメリカーノといった一般的なメニューに加え、ウクライナならではのユニークな品揃えも豊富です。オレンジジュースを加えたコーヒーや、旧ソ連時代から親しまれているエスプレッソに生クリームとバニラシュガーを混ぜた「ラフコーヒー」などが日常的に飲まれています。台湾から派遣された医療団のメンバーが「オレンジジュースコーヒー」を試したところ、台湾で近年流行している「シチリア風コーヒー」のバリエーションのようだと驚きの声を上げていました。
また、世界的に流行している抹茶ブームもウクライナに波及しており、「抹茶トニック」や「ストロベリー抹茶ミルク」などが若者の間でSNS映えする人気メニューとなっています。伝統的なラフコーヒーから現代的な抹茶ドリンクまで、メニューの多様化が進んでいます。
あるウクライナ人女性は「1日に5杯は飲む」と語るほどコーヒーを愛しており、この熱意はデータにも表れています。ウクライナ国会の資料によると、国民一人当たりの年間コーヒー消費量は約3.5キログラムで、全国の年間消費量は8.5万〜10.5万トンに上ります。これは2024年の台湾の消費量(約1.77キログラム)の約2倍に相当します。
ウクライナのコーヒー市場は現在も成長を続けています。650軒のカフェを対象とした調査では、ドリップコーヒーの人気が高まっており、平均価格は4年前から35%上昇しました。一部の流行のカフェで提供される「オレンジジュースコーヒー」は1杯195フリヴニャ(約140台湾ドル)と高価格帯ですが、安定した人気を誇ります。
日常的な消費に加え、多くのカフェが軍と連携し、兵士への無料コーヒー提供や、売上の一部を軍へ寄付するチャリティー商品を展開するなどの動きも見られます。ウクライナ人にとってカフェは単なる消費の場を超え、社会やコミュニティをつなぐ重要な存在となっているのです。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:其他