日本経済新聞が全国の815市区を対象に実施した調査によると、全体の84%にあたる685自治体が野生動物の被害対策費を計上しています。特に北海道や東北地方では9割以上の自治体が予算を確保しており、深刻化する被害への危機感がうかがえます。

対策の主流は、電気柵の設置、箱罠の購入、ハンターへの報酬支払いなどです。北海道札幌市はドローンを活用した警戒体制に約2億1800万円を投じ、山形県天童市や新潟県加茂市では、熊を誘引しないために放置果樹の伐採を補助するなど、人と野生動物の緩衝地帯を作る取り組みも進んでいます。また、富山県砺波市や石川県羽咋市などでは、AIを搭載した監視カメラを導入し、熊の出没を早期に検知する試みも始まっています。

環境省の統計によれば、2025年度(昨年4月〜今年3月)の熊による人的被害は238人(うち死者13人)と過去最多を記録しました。被害の6割以上が東北6県に集中しています。これを受け、仙台市でも熊対策として2億9700万円の予算を計上するなど、都市部での出没対応も強化されています。

一方で、熊被害が比較的少ない西日本地域では、イノシシやシカ、サルによる農作物被害対策が中心となっています。各地の自治体は、捕獲を担う人材不足を解消するため、狩猟免許取得の支援や有資格者の雇用拡大にも注力しています。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:調査
  • 製品・サービス:ドローン預警機制