【パリ16日中央社】台南出身の行倫邑氏は、フランス大統領府であるエリゼ宮でデザートシェフとして活躍している。日々マクロン大統領のために腕を振るい、バイデン米大統領がフランス訪問の際にそのデザートを絶賛したことでも注目を集めた。行氏は大統領府での11年間、周囲から実力を疑われたり、懐疑的な目で見られたりすることもあったが、それらの声を自らを高めるための原動力に変えてきたと語る。
台湾の僑務委員会委員長である徐佳青氏は、最近の欧州視察の際、駐仏代表の郝培芝氏の計らいで、エリゼ宮の向かいにあるカフェ「メゾン・エリゼ」を訪れ、行氏が手掛けたデザートを試食した。メゾン・エリゼは一般公開された施設で、1階には記念品店、2階には行氏が責任者を務めるカフェが併設されている。
行氏は普段、マクロン大統領夫妻の日常のデザートや、大統領の外遊時の機内食、さらに国賓を迎える晩餐会のデザートなどを担当している。2024年にフランスを訪問したバイデン米大統領は、晩餐会のデザートとして出されたアイスクリームを完食し、さらにおかわりを求めた上で「誰が作ったのか」と尋ねたというエピソードがある。
この日、行氏が振る舞った看板メニューの一つ「冬の庭(Jardin d’hiver)」は、エリゼ宮内にある1881年建築の温室からインスピレーションを得たものだ。1986年生まれの行氏は、2012年に渡仏。言葉を学んだ後に調理師学校で資格を取得し、2015年に自らエリゼ宮の門を叩いてインターンシップの機会を勝ち取った。努力が認められて正式に採用され、2023年にはデザートシェフに昇格した。
「自分自身を貫くことが重要で、周囲の声は障壁ではなく向上心への刺激になる」と語る行氏は、フランスの美食文化の中、台湾人として多様なスタッフと共に働いている。オランド前大統領とマクロン現大統領という2代に仕えた経験を持ち、マクロン大統領夫妻の健康志向についても明かした。
徐委員長は、行氏のデザートを絶賛し「台湾人はそれぞれの分野で独自の貢献をしており、その特性を世界に示し続けてほしい」と、海外で活躍する台湾人たちにエールを送った。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
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