台湾は世界最強のハイエンドチップ製造能力と迅速な生産体制を誇りますが、システム統合が重視される無人機産業においては、ソフトウェア能力の不足が課題となっています。工研院の呉政忠董事長は、国内で無人搬送システム研究開発連合を立ち上げるだけでなく、海外のスタートアップとも連携し、技術的な欠落を補完する考えを明らかにしました。
ウクライナ戦争を経て無人機の重要性が世界的に高まる中、呉氏は無人機が国防のみならず、工場巡回などの民生分野へ急速に拡大すると予測しています。さらに、陸・海・空および宇宙を含む無人搬送機全体が次なる産業の爆発的成長点になると見ており、台湾にとって大きなチャンスであると強調しました。
呉氏は、無人機を「空飛ぶコンピュータ」と定義し、ハードウェアやチップだけでなくソフトウェアの重要性を指摘しました。台湾は部品製造にとどまらず、システム開発へと舵を切る必要があり、サイバーセキュリティや「非レッド(中国製排除)」サプライチェーンの観点から、民主主義陣営において重要な役割を担うべきだと述べています。
現在、台湾の無人機技術は欧米に比べ2〜3年遅れていると推測されますが、世界的な共通規格が未整備であるため、挽回の余地は十分にあります。工研院は、民間企業と協力してハード・ソフトの規格策定を主導するプラットフォームとしての役割を担う方針です。また、従来の「工研院が開発して技術移転する」という時間のかかるモデルを改め、民間企業と並走して研究開発を行うスピード感のある体制へ転換します。
工研院はすでに10社以上の関連企業と協議を進めており、今年上半期中の連合結成を目指しています。呉氏は、台湾市場だけでは不十分であり、欧米や日本との国際協力が不可欠であると強調しました。工研院の海外拠点の役割も、単なる情報収集から、現地の有望なスタートアップとの連携強化へとシフトさせ、台湾がアジア太平洋地域の無人機イノベーション拠点となることを目指します。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:科技/產業政策