「トランプ・習近平会談」は幕を閉じたが、関連する議論の熱は冷めやらない。国際関係の専門的な分析や裏話が報じられる中、あまり注目されていない「トランプ大統領の晩餐会でのスピーチに隠された意味」を改めて探ってみたい。
14日夜、習近平国家主席は人民大会堂で晩餐会を開き、訪中したトランプ氏を歓迎した。トランプ氏のスピーチは非常に丁寧で、清華大学の孫立平教授(当時)がSNSで「トランプ氏がこれほど上手く話せるとは」と驚いたほどだった。実際、彼はスピーチの前にメモを確認する念の入れようであり、確かな準備があったことは疑いようがない。
興味深いのは、習主席が55年前の「ピンポン外交」から歴史を振り返ったのに対し、トランプ氏は250年前の米国建国から話を始めた点だ。これは、中国が600年の歴史を持つ天壇などを誇っても、トランプ氏が相対しているのは、建政から80年にも満たず、政治闘争と浄化の歴史を持つ現代の共産党政権であるという事実を浮き彫りにしている。
スピーチでトランプ氏が挙げた中国の肯定的イメージは、2500年前の孔子など古代の事象か、あるいは米国が支援した近代の中国である。特に「米国が鉄道建設に協力し、教育や近代医学を伝え、習主席の母校である清華大学の設立も支援した」という言及は非常に巧みである。これは米国が近代中国の形成に貢献したという事実を突きつけると同時に、中国指導者自身がその恩恵を受けていることを示唆するもので、相手の面子を保ちつつも自国の優位性を暗に伝える内容だった。
特に清華大学は、義和団事件後の賠償金(庚子賠款)を米国が教育支援に還元したことで設立された。文革を経て、労働者・農民・兵士として大学に入学した習主席自身の経歴と、かつての宣教師らがもたらした教育・医学の歴史を重ね合わせたトランプ氏の言葉は、今の中国におけるキリスト教や宗教活動に対する厳しい管理体制と対照的である。
トランプ氏は「米中両国は200年前から相互尊重と賞賛を抱いてきた」と語った。しかし、彼が言葉にしなかった「現代中国の宗教弾圧や地下教会の存在」という現実こそが、より深く思索すべき点なのかもしれない。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:政治分析