法人データベース「Compalyze(カンパライズ)」を運営する株式会社Compalyze(本社:滋賀県草津市、代表取締役:鈴木隆士)は、官報や電子公告(WEB)などの公告から確認できる組織再編情報(会社合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式交付など)をもとに、2026年6月時点で確認・集計できた累計82,594件を種別・年次・存続会社などの観点から分解する調査を実施しました。
その結果、合併・会社分割は2016年の6,229件から2025年の8,754件へと約1.4倍に増えた一方で、種別ごとの伸び率では株式交換が2016年の71件から2025年の416件へと約5.9倍に突出し、1社が数十社を吸収する「ロールアップ」の存続側ランキングでは調剤薬局チェーンが上位を独占していることが分かりました。
データ引用時のお願い
本調査データを引用・利用される際は、以下のURLと出典を明記してください。
URL:https://compalyze.co.jp/journal/corporate-restructuring-trend
出典:組織再編8.3万件を分解する ─ 件数の主役は「合併」、いま伸びるのは「株式交換」と「ロールアップ」
調査サマリ
合併・会社分割は2016年6,229件→2025年8,754件と約1.4倍。官報・WEB等の公告から確認・集計できた組織再編は累計82,594件(全数ではなく捕捉できた範囲)。
種別では会社合併が59,401件(72%)で最多。会社分割が19,660件(24%)、株式交換・株式移転・株式交付など約3,500件(4%)と続く。
伸び率が突出するのは株式交換で、2016年71件→2025年416件の約5.9倍。現金を用意せずに子会社化できる手法が台頭。
1社が数十社を吸収する「ロールアップ」の存続側ランキングは調剤薬局チェーンが上位を独占(最多は163社の吸収合併)。
会社分割の受け皿が「ホールディングス」になる動きも2016年47件→2024年223件と約4.7倍。受け皿全体に占める割合は4.5%から10.3%へ上昇。
本数値は株式譲渡を含むM&Aの全体像ではなく、官報・WEB等の公告から確認できる「合併・分割・株式交換」等を中心とする組織再編の件数。
組織を「組み替える」動きは増えている
合併と会社分割の件数を年ごとに数えると、2016年の6,229件から2025年には8,754件へと増えていました。
日本の会社の数自体も緩やかに増えているため、会社数の増加だけで説明できるかは母数調整後の検証が必要ですが、件数として見れば組織を組み替える動きは増えています。
図:合併・会社分割の件数の推移(Compalyze調べ、2016〜2025年)
内訳をみると、土台を支えているのは会社合併です。毎年5,000〜6,000件台で推移し、2025年は6,342件でした。
会社分割は1,300〜2,400件台で動き、2019年は889件と低かったものの、その後は2,000件超の年が続きます。データ上は、合併で会社をまとめる動きと、分割で事業を切り出す動きが、ともに増える傾向が見えます。
2. 件数の主役を分解する:多いのは「合併」、伸びるのは「株式交換」
集計できた組織再編は、累計で82,594件にのぼります。種別でみると、会社合併が59,401件で全体の72%を占め、会社分割が19,660件で24%。残りは株式交換・株式移転・株式交付など約3,500件(4%)です。
図:組織再編の種別構成(Compalyze調べ)
合併が多数を占めるのは、その用途の広さによります。グループ内で重複する子会社を一つにまとめる、買収した会社を吸収する、休眠会社を整理するといった場面で、いずれも合併が使われます。会社分割は、事業に関する権利義務を既存会社または新設会社に承継させる手法で、事業承継のために収益事業と資産保有を分けたり、特定事業を売却しやすい形に整えたりするときに用いられます。
図:組織再編の種別ごとの年次推移(Compalyze調べ、2016〜2025年)
ただし、「件数が多い」ことと「件数が伸びている」ことは別です。種別ごとに年次推移を並べると、その違いがはっきり見えます。合併と会社分割は規模こそ大きいものの、この10年でみれば緩やかな高止まりに近い動きです。これに対し、株式交換は2016年の71件から2025年の416件へと約5.9倍に増えていました。
株式交換は、買収側が自社の株式を対価として相手企業を完全子会社にする手法で、現金を用意せずに子会社化できる点が特徴です。2021年に新設された株式交付(自社株式を対価に他社を子会社化する手法)も2025年は49件まで増えています。件数の絶対数では合併・分割が依然として主役ですが、伸び率という観点では、株式を対価とする再編が台頭していることがデータに表れています。
「ロールアップ」の主役は調剤薬局 ─ 1社で数十社を吸収
合併を「吸収する側(存続会社)」の視点で集計すると、もう一つの構造が浮かび上がります。同じ会社が、数十社を次々と吸収合併していく「ロールアップ」です。存続側として最も多くの会社を吸収していたのは、大阪府茨木市に本店を置く株式会社ウィーズで、累計163社。次いで愛知県のオートバイ販売・株式会社レッドバロンが137社、北海道の株式会社アインファーマシーズが96社と続きます。
図:吸収合併の存続側ランキング(Compalyze調べ)
特徴的なのは、上位を調剤薬局チェーンが占めている点です。首位のウィーズ、3位のアインファーマシーズ、そして総合メディカル(福岡・32社)はいずれも調剤薬局を展開する企業群です。
調剤薬局業界は、個人経営や地域チェーンが多く、後継者問題や薬価改定・経営環境の変化を背景に、大手チェーンが地域の薬局を引き受けて統合していく動きが続いてきました。その受け皿として吸収合併が繰り返し使われ、存続側に件数が積み上がっているとみられます。
ロールアップは、分散した事業者を一つの経営にまとめて効率化や規模の利益を狙う成長戦略の一形態であり、その軌跡が件数として可視化された形です。
調剤薬局以外では、合同会社DMM.com(37社)、トヨタモビリティパーツ(34社)、富士通(33社)、JTB(23社)など、グループ内の子会社を整理・統合する大手企業の名も並びます。同じ「吸収合併」でも、外部の事業者を引き受けるロールアップ型と、グループ内を整理する型の両方が混在しています。
なお、本ランキングからは、漁業協同組合・農業協同組合・漁船保険組合・信用基金協会といった「系統統合」(業界・地域の組合が法令や制度に基づいて広域合併するもの。日本漁船保険組合45件、愛媛県漁業協同組合44件など)と、宗教法人の合併(神社の合祀など)は分離して除外しています。これらは企業の成長戦略としてのロールアップとは性質が異なるためです。
会社分割の受け皿が「ホールディングス」になる動き
会社分割にも、もう一段の構造変化が見えます。分割で
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:調査
- 関連組織:株式会社ウィーズ / 株式会社レッドバロン / 株式会社アインファーマシーズ
- 製品・サービス:Compalyze / 法人データベース