デジタルハリウッド大学大学院の修了生で、ドラマ・映画監督の野口雄大氏が監督を務める短編ドキュメンタリー映画『Return to My Blue』が、7月24日(金)よりキノシネマ新宿を皮切りに全国の劇場で順次公開されることが決定しました。 人工呼吸器を必要とする少年と母の冒険を通じて「生きるとは何か」を問いかける本作は、野口氏初のドキュメンタリー作品です。本作は、今年5月に開催された「第24回中之島映画祭」でグランプリを受賞し、20の海外映画祭で受賞するなど、劇場公開前より高い評価を得ています。

『Return to My Blue』は、人工呼吸器を装着する医療的ケアが必要な少年が、電気も水もない無人島へ挑む姿を追ったドキュメンタリーです。それは、決して安全とは言えない環境で、一歩間違えれば命に関わる現実と向き合う旅でもありました。飛行機に乗ることすら困難な少年が、無人島へ向かう小さな漁船に、車椅子ごと運び込まれるその瞬間、一歩間違えれば海へ落ちてしまう――そんな張り詰めた空気が、その場を支配していました。それでも彼らは、ただ「やりたい」という想いを信じ、全力で生きることを選びます。

野口雄大監督は、「旅人で作家の高橋歩さんの一言からすべてが始まった」と語ります。主人公の壮眞(そうま)は人工呼吸器が必要で、電気もない無人島に本当に行けるのか不安は尽きなかったと言います。監督自身、ドキュメンタリーは初めてで、カメラを買うところからスタートしたものの、彼らと時間をともにする中で、無意識に「障がい者」「健常者」という枠で人を見ていたことに気づかされたと振り返ります。

長い道のりの先にたどり着いた無人島で、壮眞が母に抱かれて海に入った瞬間、彼の顔にまぶしいほどの笑顔が広がりました。その圧倒的な“光”を前に、監督は涙が止まらなかったと語ります。その感情の奥に、自身の原点、そして祖父の存在があったことに後で気づきました。祖父は監督にとって「生きるとは何か」を教えてくれた最も近い存在でしたが、その時間を形として遺せなかった後悔が心に刻まれています。だからこそ、目の前の“生きている瞬間”を世界に遺したいと強く思ったのです。

この経験から「この笑顔を一人でも多くの人に届け、世に遺す」ことを決意しました。タイトルに込めた「Blue」は、誰もが心の奥に持っている原点のようなもので、この作品がそれぞれの“自分だけの青”に立ち還るきっかけになればと願っています。

野口雄大監督は日本大学芸術学部を卒業し、デジタルハリウッド大学大学院を修了。2008年からドラマ制作に携わり、NHK連続テレビ小説『あんぱん』『エール』、大河ドラマ『どうする家康』など数々の作品を手がけています。彼の創作活動の原点には、シベリア抑留を生き抜いた祖父の人生を記録できなかった後悔があり、「人の物語を遺したい」という想いが一貫しています。初のドキュメンタリーとなる本作以前にも、短編映画『さまよえ記憶』で国内外の映画祭で高い評価を得ています。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:イベント
  • 関連組織:デジタルハリウッド大学大学院 / キノシネマ / NHK
  • 製品・サービス:短編ドキュメンタリー映画『Return to My Blue』