AI Overview(以下AIO)への対応を検討するSEO・ブランドマネージャーの現場では、自社のAIへの露出について次のような声がよく聞かれます。
「ブランド名を入れない検索なら、自社サイトが出てこなくても仕方がない」 「AI Overviewは結局、辞書みたいな一般情報を返すものではないか」 「指名検索で自社サイトに来てもらえれば、AIに認知されている必要はない」
株式会社EXIDEA(本社:東京都中央区、代表取締役:小川卓真)は、Google検索のAIOが、ユーザーがブランド名を指定していない検索に対してどの程度ブランド名を含む回答を生成しているかを、17,693件のクエリ・約30,000ブランドを対象に調査しました。
本リリースでは、SEO・ブランドマネージャーがAIO時代の自社認知を考えるうえで参考になる4つのファクトを共有します。
本調査結果の要点
AIOが表示されるかどうかは、業種よりも「どんな聞かれ方をしているか」に強く左右されている。
特に「○○とは」のように明確な答えを求める検索では、AIOが表示されやすい傾向が見られた。
AIO対策では、すべてのキーワードを一律に見るのではなく、「クエリの形」ごとに優先順位を分けることが重要。
調査の概要
項目 内容 調査対象 Google検索でAI Overviewが表示された日本語クエリのうち、ブランド名・企業名・商品名を含まない非ブランド指名クエリ 分析クエリ数 17,693件 分析対象ブロック数 288,177件(AIO回答内の段落単位) 検出ブランド数 29,950ブランド(延べ644,678件の言及) 目的変数 LLMによる5軸分類(検索意図/クエリ形式/業界/ブランド有無/YMYL判定) ブランド抽出 LLMによるAIO回答テキストからのブランド名・企業名・商品名・サービス名の自動抽出 統計検定 業界別・検索意図別・クエリ形式別すべてでカイ二乗検定 p≈0、ユニークブランド数差はKruskal-Wallis検定 H=922.2, p=8.58e-189 データ取得時期 2026年2月〜3月 調査主体 株式会社EXIDEA
① 非指名検索でも、AIの比較候補に入れるかが競争軸になる
ユーザーがブランド名を一切含めずに検索した場合でも、AIO回答ブロックの57.7%に具体的なブランド名・商品名・サービス名が含まれていました。1クエリあたり平均4.5ブランドが言及されています。
クエリ単位で見ると、AIOにブランドが全く出現しないクエリは18.8%にとどまり、残り81.2%のクエリで少なくとも1つのブランドが提示されていました。さらに51.9%のクエリでは、AI回答ブロックの6割以上にブランド名が含まれています。
ブランド想起レベル 条件 クエリ数 割合 高 6割以上のブロックにブランド出現 9,182 51.9% 中 3〜6割のブロックにブランド出現 3,509 19.8% 低 1〜3割のブロックにブランド出現 1,684 9.5% なし ブランド出現ゼロ 3,318 18.8%
AIは「ユーザーが指名したブランドを案内する」ツールではなく、「指名されていなくても候補ブランドを自分で推薦する」ツールに近づいています。指名検索だけを自社サイトの流入ソースとして見ていると、ブランド名なしの検索でAIに想起されるかどうかという新しい競争軸を見落とす可能性があります。
② 比較される検索で、AIに候補として出ているかを最優先で見る
クエリの形によってブランド言及の傾向は大きく変わります。最も顕著なのは、ユーザーが「複数の選択肢から選ぶ」前提で検索する『比較型』のクエリでした。
クエリ形式 ブランド言及率 平均ユニークブランド数 比較型(例:〇〇 vs △△、〇〇 違い) 75.9% 6.6 リスト型 61.0% 5.7 方法型 56.4% 4.1 FAQ型 52.0% 3.3 定義型(例:⚪︎⚪︎とは) 39.3% 2.7 参考:その他 56.4% 4.2
比較型クエリではAIO回答の4分の3にブランドが含まれ、1回の回答で平均6.6ブランドが提示されています。比較型と定義型では言及率に36.6ptの差があり、明確に分類可能な5形式の中で、AIは「選ぶ」検索に対して積極的にブランドを名指しする傾向が確認されました。
見方を変えると、比較型クエリのAIO回答は、AIが自動生成した「カタログ」に近い存在になっています。比較されるときに候補に入っているかどうかが、AIに想起されるブランドの分かれ目です。なお「その他」はクエリ形式が他カテゴリに明確に分類されなかった混合カテゴリのため、ランキング対象から除外し参考値として扱っています。
③ 購買に近い検索ほど、AIはブランドを多く名指しする
検索意図(Search Intent)別に見ても、ユーザーの行動段階が「情報収集」から「比較検討」「購買・申込」に近づくほど、AIO回答中のブランド出現が増える傾向が確認できました。
検索意図 内容 ブランド言及率 平均ユニークブランド数 Navigational 特定サイトへの到達 73.0% 4.7 Transactional 購買・申込 68.3% 5.2 Commercial 比較検討 64.9% 5.5 Informational 情報収集 44.7% 3.0
Informational(情報収集)の44.7%に対し、Commercial(比較検討)は64.9%、Transactional(購買・申込)は68.3%。情報収集と購買検討の間には20pt以上の差がありました。
購買に近い検索ほど、ユーザーがクリックする前にAIが候補ブランドを並べ終えています。比較検討フェーズで自社が候補に入っていないと、サイト流入の前段階で選択肢から外れる可能性があります。
④ 業界ごとに、AIにブランドが出やすい検索条件を見極める
業界別に見ると、AIに想起されやすい業界とそうでない業界の差は最大で1.9倍に達していました。旅行・観光(71.2%)と教育・学習(37.7%)の間には33.5ptの開きがあります。
業界 ブランド言及率 平均ユニークブランド数 分析クエリ数 旅行・観光 71.2% 5.4 195 生活・暮らし 66.4% 5.3 1,272 美容・ファッション 66.1% 5.3 643 飲食・グルメ 65.5% 5.7 240 金融・保険 63.9% 4.8 3,738 IT・テクノロジー 63.1% 5.0 4,420 住宅・リフォーム 57.4% 4.6 653 マーケティング 55.3% 4.7 1,848 健康・医療 47.8% 3.6 650 不動産 42.7% 3.2 570 法律・士業 42.0% 2.9 1,211 人事・キャリア 39.7% 3.2 936 教育・学習 37.7% 3.5 592
商品・サービスの比較が一般的な業界(旅行・生活・美容・飲食)ほどAIが候補を並べやすく、専門的な相談や個別対応が前提になる業界(法律・士業、人事・キャリア、教育・学習)ではAIは個別ブランドを名指ししにくい傾向が見られます。なお、旅行・観光(n=195)や飲食・グルメ(n=240)はサンプル数が他業界より少ないため、数値は傾向把握の参考値としてご覧ください。
業界×検索意図、業界×クエリ形式のクロス分析でも、特定のセルでブランド言及が集中するホットスポットが確認できました。下記ヒートマップで、自社業界の「どの検索条件でAIにブランドが並びやすいか」を確認してください。
業界別にAIO回答中で言及回数が多かった上位ブランドの顔ぶれを集計したところ、業界ごとに「マス向けで認知度の高いブランド」がほぼ独占する構図でした。AIは検索結果の上位サイトを参照していると考えられ、AIO時代でも検索結果上位の獲得が想起の前提になっています。
業界 1〜3位の顔ぶれ(個社名は伏せています) 金融・保険 大手消費者金融2社と大手クレジットカード1社が独占(いずれも2,600回超の言及) IT・テクノロジー モバイル通信・無線インターネット回線サービス3社が上位を独占 美容・ファッション ブライダルジュエリー1社と海外ハイブランドジュエリー2社が上位 飲食・グルメ 宅配冷凍食品サービス3社が独占 人事・キャリア 人事SaaSベンダー3社が独占 教育・学習 プログラミングスクール/オンライン講座サービス3社が独占
担当者が今すぐ確認すべき4つのポイント
本調査の結果から、AIO時代に自社のブランド認知を考えるうえで優先したいことは次の4つです。
1. ブランド名なしの検索で、自社が候補に入っているか見る 「カテゴリ名 おすすめ」「サービス 比較」「〇〇 違い」など、指名されていない検索で自社がAIO回答に出ているかを確認します。
2. 比較・おすすめ系の検索を優先して確認する AIは比較・おすすめ系の検索でブランドを並べやすい傾向があります。まずは、ユーザーが選択肢を探している検索で、自社と競合がどう扱われているかを見るべきです。
3. 競合だけが出ている検索を見つける AIO回答に競合は出ているのに自社が出ていない検索は、優先的に改善すべき領域です。単に「AIOに出るか」ではなく、「候補ブランドの中に入れているか」を見ます。
4. 検索上位とAI上の候補入りをセットで追う AIO対策は従来のSEOの代替ではありません。検索上位を取り、そのうえでAIに候補として拾われる状態を整える必要があります。
EmmaToolsは、AI検索時代のSEO運用を支援します
今回の調査から、AIO時代のSEO・ブランド施策では「指名されていない検索でAIにどう想起されるか」が、認知獲得の新たな分かれ目になることがわかりました。
EmmaToolsは、本調査のような検索結果データを活用しながら、SEO記事の作成・リライト・改善を支援するSEOライティングツールです。AIに引用されやすいコンテンツの構造設計、競合との比較ポジションの整理、キーワードと優先度の整理など、AI時代のSEO運用に必要な打ち手を支援します。
調査手法の特徴
本調査は、SEO担当者の主観や事例の積み上げではなく、Google AI Overviewが実際に生成した日本語回答ブロックを大規模に解析し、ブランド名の出現傾向を定量化している点に特徴があります。「AIが現時点でどの業種のどの検索に対してブランドを名指ししているのか」を、人間の印象を介さずに把握できます。
差別化ポイント 内容 一次データ 汎用SEOツールのAPIではなく、Google AI Overviewが生成した日本語回答ブロック288,177件を直接解析 クエリ分類 LLMを用いて各検索クエリを5軸(検索意図/クエリ形式/業界/ブランド有無/YMYL判定)で自動分類 ブランド抽出 AIO回答テキストからLLMでブランド名・企業名・商品名・サービス名を自動抽出。29,950ブランド・延べ644,678件の言及を検出 「非ブランド指名クエリ」の定義 検索クエリ自体に特定の企業名・ブランド名・商品名を含まないクエリ(例:「クレジットカード おすすめ」「ウォーターサーバー 比較」)。LLMによる自動判定 統計的有意性の検証 業界別・検索意図別・クエリ形式別すべてでカイ二乗検定を実施しp≈0、ユニークブランド数の差はKruskal-Wallis検定でH=922.2、p=8.58e-189 参考カテゴリの扱い クエリ形式の「その他」は他カテゴリに明確に分類されなかった混合カテゴリのため、ランキング対象から除外し参考値として扱う 日本市場特化 英語圏中心のグローバルデータではなく、日本語検索の結果のみを対象
注記 本調査はGoogle検索結果のスナップショット(2026年2月〜3月取得)に基づくものであり、AIの回答内容は随時変動します。ブランド名・企業名・商品名・サービス名の抽出はLLMによる自動分類のため、一部に誤抽出・抽出漏れが含まれる可能性があります。業界分類・検索意図分類についても同様にLLMによる自動分類であり、分類精度には一定の限界があります。 業界別・クロス分析の一部セル(旅行・観光×Navigational、教育・学習×Navigationalなど)はサンプル数が少なく(n<30)、数値は傾向把握の参考値としてご覧ください。本分析はAIOブロック内のブランド出現を集計したものであり
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
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