橋本組サイト
焼津漁港の防波堤工事。冬季の強風を見据えて施工の時期や順番を見直し、施工期間を約1か月短縮した。
建設現場では、雨、風、波を止めることはできません。
特に海上・港湾工事では、強風や高波によってクレーン作業などが止まり、その影響が後工程へ連鎖する「天気待ち」が工程管理上の大きな制約になります。
では、天候を変えられないのなら、施工する時期と順番を変えればいいのではないか。
株式会社橋本組(本社:静岡県焼津市、代表取締役社長/CEO:橋本真典)は、焼津漁港で施工した防波堤工事において、冬季の強風リスクから逆算して施工工程を再設計しました。
約2,600㎥に及ぶコンクリート施工を複数箇所で並行して進めるとともに、工事の支障となっていた消波ブロック数十個の撤去・復旧作業そのものをなくし、コンクリートの打設回数も当初計画から8回削減しました。
その結果、1月末~2月初旬を予定していた上部コンクリート工の完了を1月第1週まで前倒しし、強風の影響を受けやすい施工期間を約1か月短縮しました。
この工程管理を担当したのは、29歳の現場監督、鈴木寛斗です。
「風が吹いたらどうするか」ではなく、「風が吹く時期に、できるだけその作業を残さない」。
自然条件そのものに対処するのではなく、自然条件にさらされる時間を短くするという発想です。
この施工管理などが評価され、鈴木は令和8年度静岡県優良建設工事等表彰において、交通基盤部長表彰「優良技術者部門」を受賞しました。
港湾工事の制約を「待つ」のではなく、工程から減らす
港湾工事は、波浪や潮位、風などの自然条件によって施工できる時間が左右されます。
この現場でも、夏場の熱中症に加え、冬場の強風への対応が工程上の課題となっていました。
特にクレーン作業ができなくなると、型枠の脱型・設置や消波ブロックの据付が止まり、その影響が後工程へ連鎖します。
そこで鈴木は、冬場の作業をどう管理するかではなく、
「冬場までに、何を終わらせておけばいいのか」
という視点から工程を逆算しました。
「速くする」より、「なくせないか」
工程短縮のポイントの一つが、作業そのものを減らすことでした。
当初の施工計画では、工事の支障となる数十個の消波ブロックを一度移動し、施工後に再び元の位置へ戻す必要がありました。
しかし、この作業にはクレーンが必要です。
つまり、消波ブロックを動かす工程が残るほど、強風によって工程が止まる可能性も残ります。
そこで施工方法を見直し、消波ブロックを撤去・復旧せずに施工できる方法へ変更しました。
さらに、約2,600㎥のコンクリート施工についても、複数箇所を並行して施工できる体制を構築。コンクリートの打設回数を当初計画から8回減らしました。
一つひとつの作業を速くするのではなく、不要な作業をなくし、同時にできる作業を増やす。
その積み重ねが、約1か月の工程短縮につながりました。
クレーンを使用した型枠の設置作業。強風で作業が止まると、その影響が後工程にも連鎖する。
29歳の現場監督が考えた「自然との戦い方」
鈴木は29歳。前職を含め、現場監督として約10年の経験を持ち、2024年1月に橋本組へ入社しました。
仕事で大切にしていることを尋ねると、
「何事も楽しく、興味をもつこと」
だといいます。
今回の現場でも、天候を単なる「工事を止める要因」として捉えるのではなく、「どうすれば影響を受ける時間そのものを減らせるのか」と考えました。
自然を相手にする土木工事では、すべてのリスクをなくすことはできません。
だからこそ、荒天時の退避計画を準備すると同時に、施工方法や工程そのものを見直し、自然条件の影響を受ける期間をできるだけ短くする。
今回の約1か月の工程短縮は、天候に左右されることを前提に、それを施工計画の中でどう吸収するかを考えた結果です。
工程管理を担当した現場監督・鈴木寛斗(29)
高潮対策、学校建築でも――異なる3つの現場が県表彰
今回の静岡県優良建設工事等表彰では、橋本組が施工した別の2工事も表彰されました。
焼津漁港 海岸 高潮対策工事【交通基盤部長表彰】 現場条件を踏まえ、地盤改良をパワーブレンダー工法からWILL工法へ変更。施工性・安全性・コストを比較して発注者へ提案しました。
主要指標 — KEY FIGURES
また、近隣への振動・騒音に配慮し、鋼矢板打込み作業の開始を午前8時から10時へ変更。長期工事を無事故で完成させ、工事評点88点を獲得しました。
焼津漁港の高潮対策工事。現場条件に合わせて施工方法を見直し、周辺環境にも配慮しながら工事を進めた。
焼津中央高等学校 管理教室棟新築工事【財務部長表彰】 生徒と工事車両が同じ正門を利用するため、登校時間帯の午前8時~8時30分は工事車両の出入りを禁止。学校行事も時間単位で確認しながら工程を調整しました。
床や腰壁に使用する天然木は、色や節を一枚ずつ見極めて配置するなど、仕上がりにもこだわりました。
完成した焼津中央高校の教室。床や腰壁には天然木を使用し、色や節を見極めながら一枚ずつ配置。生徒が学校生活を送る中で進めた工事。安全に配慮した生徒専用動線を確保した。
港湾、高潮対策、学校建築。
場所も工事内容も異なる3つの現場に共通するのは、現場ごとに異なる制約を読み、その条件に合った施工方法を考えることです。
決められたものを、ただ決められた通りにつくるだけではない。
今回の3つの表彰は、それぞれの現場で行われた施工管理上の判断と工夫が評価されたものです。
令和8年度静岡県優良建設工事等表彰式。橋本組が施工した3工事が表彰された。左から、青木俊充(焼津中央高等学校管理教室棟新築工事)、鈴木寛斗(小川南防波堤改良工事)、杉山陸(焼津漁港海岸高潮対策工事)
【会社概要】
株式会社橋本組
[代表取締役社長/CEO]橋本 真典
[所在地]静岡県焼津市本町2丁目2番1号
[創業]大正11年12月
[企業サイト]https://www.hashimotogumi.co.jp/
TEL.054-627-3276(代表) FAX. 054-628-8007
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:prtimes