○JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「勇翔2034」で掲げる“持続可能で豊かな地球環境”の実現に向け、2050年度までにCO₂排出量「実質ゼロ」の取組みを推進しています。
○このたびその一環として2027年度末に日本初の水素ハイブリッド電車「HYBARI」の営業運転を実現します。さらに、次世代水素ハイブリッド電車の開発をスタートすることに加え、川崎発電所において水素1%調達宣言に参画します。
○将来的には、水素社会の実現によるLX(ライフスタイル・トランスフォーメーション)を目指し、さらなる環境負荷低減を推進します。
1.水素を利活用したLXの取組み
JR東日本グループは、「勇翔2034」で掲げる持続可能で豊かな地球環境の実現を通じ、2050年度のCO₂排出量「実質ゼロ」に向けた歩みを着実に進めています。そして、カーボンニュートラルに向けたエネルギーとして水素を利活用した取組みをモビリティ(鉄道)・発電・まちづくりの各分野で進めています。
(1) モビリティ(鉄道)
1.水素ハイブリッド電車「HYBARI」の営業運転
JR東日本では、脱炭素社会の実現に向けて、2022年3月より、水素ハイブリッド電車「HYBARI」の実証試験を行ってきました。「HYBARI」は水素を燃料とする燃料電池装置と蓄電池を搭載したハイブリッド電車で、「HYBARI」に搭載された水素は燃料電池に供給され、空気中の酸素と化学反応させることにより地球温暖化の原因となるCO2を排出せずに発電できます。これまでの実証試験を通じて、鉄道車両としての車両性能やシステムの安定性を検証することができました。
今回、試験車両である「HYBARI」について、日本初の水素を利用した営業車両としての改造を行い、2027年度末を目途に、鶴見線および南武線(尻手~浜川崎間)にて営業運転を開始します。また、「HYBARI」の水素充填は、鎌倉車両ベース(中原)において35MPaの高圧水素で実施し、1回の充填で走行できる距離は約70kmとなります。なお、「HYBARI」の営業運転の詳細については、今後改めてお知らせします。
水素ハイブリッド電車「HYBARI」運行エリア
水素ハイブリッド電車「HYBARI」の仕組み
2.次世代水素ハイブリッド電車の開発
水素ハイブリッド電車「HYBARI」で得た知見をもとに、次世代水素ハイブリッド電車の開発をスタートします。世界初の70MPaの高圧水素を使用することでディーゼル車両と同等の走行距離を確保し、連続する勾配線区に対応可能な走行性能を検討していきます。これらを両立することにより、広範囲な線区で走行できる鉄道車両を実現することで2030年度末目途の営業運転を目指します。次世代水素ハイブリッド電車の運行開始に際しては、より短時間で高圧の水素充填ができる設備を整備します。また将来的には海外で製造され国内に輸入される水素や、国内の再生可能エネルギーが豊富な地域で製造される水素の活用を検討していきます。今後世界各地の環境問題へのソリューションとして海外展開も視野に入れます。
次世代水素ハイブリッド電車の営業運転投入による社会実装を通じて、持続可能で豊かな地球環境の実現に向けた歩みを着実に進めていきます。なお、次世代水素ハイブリッド電車の概要については、今後改めてお知らせします。
(2) 発電:川崎発電所における水素1%調達宣言
JR東日本は、信濃川発電所(水力)および川崎発電所(火力)の自営発電所を運用しています。信濃川発電所はCO₂を排出しないクリーン電源として首都圏の鉄道輸送を支えており、川崎発電所ではこれまで重油や灯油から天然ガス主体への燃料転換を進めるなど、低炭素化に取り組んできました。今後、2030年度の水素を用いた発電開始と2050年度のゼロカーボンの実現を目指し、現在、燃料の水素転換に向けた検討を進めています。
このたび、川崎発電所における小型専焼機の導入による水素への燃料転換の実現を通じ、保有する火力発電設備の燃料使用量の1%以上を水素とすることを目標として水素バリューチェーン推進協議会の「水素1%調達宣言」に参画しました。本目標は、水素利活用拡大に向けた第一段階の取組みとして位置づけており、2050年度の水素専焼等によるゼロカーボン実現に向けて、さらなる利用拡大を検討していきます。なお、海外からの輸入が計画されている水素の供給を受けることを考えています。
(3) まちづくり
1.軽井沢エリアでの水素利活用
軽井沢エリアでは2025年11月に発足した「浅間ゼロカーボンコンソーシアム」に参画しました。JR東日本グループでは軽井沢駅周辺での水素ステーションの建設とモビリティを核とした水素需要創出をはじめとして、将来的にはまちのエネルギーとして広範囲に水素を利活用していくことを検討していきます。
今後、モビリティや住宅での水素利活用を目指し、コンソーシアムのメンバーと水素社会の実現を推進していきます。
2.TAKANAWA GATEWAY CITYでの水素利活用
TAKANAWA GATEWAY CITYでは、未来へ向けたイノベーションの軸とする「三本柱」の一つに「水素・GX」を掲げ、小型物流拠点からまちへの配送に燃料電池(FC)トラック、また、まちのごみ収集にFCごみ収集車を導入、まちの中を回遊する自動走行モビリティのエネルギーとしての利用、水素の利活用に取り組んできました。
今後はモビリティだけではなく、まちを支えるエネルギーの一部に水素の利活用を目指すなど、より大規模な水素の社会実装を目指していきます。こうした取組みを通じて、持続可能で先進的な都市型エネルギーシステムの創出をTAKANAWA GATEWAY CITYからリードしていきます。
水素都市モデルの創造
3.JR竹芝水素シャトルバス
JR竹芝水素シャトルバスは「WATERS takeshiba」のまちびらきに合わせ、2020年10月にデザインの異なる2台の燃料電池バスを使用して運行をスタートしました。東京駅から竹芝周辺、日の出ふ頭を循環するシャトルバスで、2025年9月からはTAKANAWA GATEWAY CITYへの乗り入れを開始しました。また2026年3月から6月の間は期間限定で、平日にTAKANAWA GATEWAY CITYとOIMACHI TRACKS間に水素シャトルバスを運行し、多くのお客さまにご利用頂きました。
JR東日本グループでは、引き続き水素を利用したモビリティを活用し、回遊性の向上を目指します。
JR竹芝水素シャトルバス
2.社内炭素価格(インターナルカーボンプライシング(ICP))の価格改定
JR東日本では、CO₂排出量削減につながる設備投資を促進するため、2022年度より社内炭素価格を5,000円/t-CO₂に設定し、LED照明や高効率空調設備の導入促進に活用してきました。
このたび、非化石証書価格の上昇動向を踏まえ、社内炭素価格を見直しました。見直し価格は、上昇動向の1.5倍となる約3倍の15,000円/t-CO
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:環境