Meta(META-US) は、AIチップの自社開発を加速している。『ロイター』が入手した内部メモによると、同社は2024年9月から、コードネーム「Iris」と呼ばれる自社開発AIチップの量産を開始する予定だ。また、2025年には全体の計算能力を7GWから14GWへと倍増させ、FacebookやInstagramなどのプラットフォームにおける急増するAI処理需要を支える計画である。

報道によれば、「Iris」はMetaが推進する「Meta Training and Inference Accelerators(MTIA)」計画の一部であり、第4世代の製品設計に位置づけられる。主にAIのトレーニングと推論処理を対象としており、カスタムチップによってAIシステムの性能を向上させるとともに、外部サプライヤーへの依存を低減することが目的だ。

内部文書によると、「Iris」チップはわずか6週間でテストを完了し、重大な問題は確認されなかった。これは、5年以上にわたる自社チップ開発計画が実を結びつつあることを示しており、9月の量産開始に向けた基盤が整ったことを意味する。

「Iris」はMetaが設計を主導し、博通(AVGO-US)とチップ設計を共同で進め、製造は台湾のTSMC(2330-TW)(TSM-US)が担当する。自社開発チップ戦略を通じて、Metaは膨大なAI計算コストの削減、チップの自律性の向上、そしてNVIDIA(NVDA-US)やAMD(AMD-US)などのAIチップサプライヤーへの依存低減を目指している。

「Iris」は、NVIDIAやAMDから大量に調達しているGPUを完全に置き換えるものではなく、補完的な役割を担う。内部資料では、最新GPUの大規模導入はMetaにとって複雑かつ時間のかかるプロセスであると指摘されており、自社開発チップの導入により、AIインフラ全体の効率性が向上することが期待されている。

Metaは2023年3月に「Iris」のコードネームを初めて公表し、同時に3種類のAIプロセッサを披露した。今後2027年まで、約6か月ごとに新しいAIチップをリリースするペースを維持する計画であり、これは業界標準の約1年ごとの更新サイクルよりもはるかに速いペースである。

チップ戦略に加え、MetaはAIインフラの拡張も継続している。メモによると、2024年には7GWの計算インフラを展開し、2025年にはそれを14GWへと倍増させる予定だ。2024年のAIインフラ投資額は最大1450億ドルに達し、テック大手が合計7000億ドル以上をAI分野に投資する中で、その重要な一部を占める。

大規模なデータセンターの拡張を支えるため、Metaは複数の長期供給契約を締結している。これには、サムスン電子によるメモリ供給、Sandisk(SNDK-US)によるフラッシュストレージの提供、住友電気工業(Sumitomo Electric)による光ファイバー設備の供給が含まれる。これらの契約は、特にメモリ供給が逼迫する中で、データセンター拡張の鍵を握っており、Appleなどの企業が製品価格を引き上げる要因ともなっている。

AIブームの影響で、メモリやAIチップなどの主要コンポーネントの需要が高まり、価格も急速に上昇している。モルガン・スタンレー(MS-US)のアナリストは、チップ価格の上昇が「chipflation(チップインフレ)」と呼ばれる現象を引き起こしており、データセンターの構築コストに影響を与えるだけでなく、マクロ経済的な関心事にもなりつつあると指摘している。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:新製品
  • 関連組織:NVIDIA / AMD / TSMC
  • 製品・サービス:Iris AIチップ / MTIAプログラム