米国株を支えてきた二つの柱——人工知能(AI)関連の投資熱と地政リスクの低下期待——が、先週、異例のタイミングで同時に崩れた。米国とイランの緊張が再燃し、原油価格が上昇。インフレ懸念が再燃し、FRBの利上げリスクが再評価された。一方で、Alphabet(GOOGL-US)とテスラ(TSLA-US)の決算では、AI関連の巨額な設備投資に対する投資家の忍耐が限界に達していることが明らかになった。

『Business Insider』の報道によると、ここ数ヶ月の米国株市場の動向は、ほぼ二つのテーマに集約されていた。一つはAI投資の持続可能性、もう一つはイラン情勢による地政リスクの変化である。

これまで、これらの二つの力は互いに相殺する役割を果たしてきた。たとえば、半導体大手の決算が予想を下回っても、米イラン情勢が緩和すれば市場の不安は和らぎ、株価は高値圏で推移してきた。

しかし、先週は「東が明ければ西が暗い」というバランスが崩れた。AIへの懸念と地政リスクが同時に噴出し、二重の逆風が株式市場を直撃。ウォール街はここ数週間で最も激しい売りに見舞われた。

23日、S&P 500指数は1.2%下落し、ハイテク株中心のナスダック100指数は約2%急落。特にAI関連株で構成される「テック・セブン・ジャイアント」は一時4%以上下落し、この下落局面の中心となった。

総じて、市場の二大ドライバーが同時に悪化したことで、強力な下押し圧力が生じ、株価を押し下げた。これは、ある意味で株式市場の「最悪のシナリオ」が現実化した事例といえる。

イラン情勢の再燃は原油価格を押し上げ、インフレと利上げへの懸念を再燃させた。

先週、原油価格は一時戦前水準まで下がったものの、米イランの緊張再燃を受け、再び1バレル100ドルを超えた。市場はインフレ再燃への懸念を強めている。特に、ホルムズ海峡が長期的に封鎖された場合の世界のエネルギー供給と物価への影響が注目されている。

インフレ期待の高まりは、FRBの利上げ観測を前倒しする要因となり、金利上昇は株価評価を圧迫する。これが、先週の米国株の大幅下落の主因の一つとなった。

今後の市場動向は、米国とイランの外交交渉の進展に大きく左右される。投資家は和平合意を強く期待しており、交渉の進展があれば、すぐに市場にポジティブに反映される可能性がある。

朗報として、『Axois』が25日(土)に報じたところによると、トランプ大統領は24日(金)、イランへの攻撃を一時停止するよう米軍に指示した。これにより、約2週間にわたりほぼ毎日続いた空爆が終了した。

報道によれば、この2週間、トランプ大統領は毎日午後に軍が提出する攻撃計画を承認し、数時間以内に実行されてきた。

しかし24日、同様の計画を受け取ったにもかかわらず、彼は行動を起こさず、部隊に攻撃を延期するよう指示した。現時点では、これが一時的な判断なのか、それとも政策転換の兆しなのかは不明である。

一方で、AI投資の熱狂も市場から再評価され始め、投資家は利益還元を求める声を強めている。

AIのブームを受けて、テック大手はデータセンターと計算インフラに巨額の投資を行ってきたが、市場の忍耐は限界に近づいている。

Alphabetとテスラの最近の決算は、企業の業績が好調でも、資本支出が増加し続ければ、投資家が売却に動く可能性があることを示している。

23日、Alphabetは年間の資本支出見通しを上方修正したため、株価は7%下落した。強固な利益とAIクラウド事業の成長という好材料は無視された形だ。テスラも、投資支出の増加と利益の未達で、株価が15%急落した。

来週には、Meta(META-US)、マイクロソフト(MSFT-US)、アマゾン(AMZN-US)など、AIインフラに主要な投資を行っている企業が決算を発表する。市場の注目は、もはや収益や利益だけでなく、企業が資本支出をさらに拡大するかどうかにある。

もしテック大手が高額なAI投資を継続すると示せば、AI関連株に新たな調整圧力がかかる可能性がある。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:ニュース
  • 関連組織:Alphabet / Tesla / Meta
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