本日(27日)、上海証券取引所の開場ベルが鳴り響く中、中国の国産DRAMリーダー企業である長鑫科技が正式に科创板に上場した。初値は1株49.5元(人民元、以下同)と、8.66元の発行価格から471.59%上昇し、初動時価総額は約3.31兆元に達した。これは工商銀行(約2.64兆元)を上回り、A株全体で時価総額トップに躍り出た結果であり、A株初の上場初日時価総額1兆元超えのテクノロジー株となった。

今回のIPOは、申請受理から上場まで一貫して「記録」を塗り替えてきた。2025年12月30日にIPO申請が受理され、2026年5月27日に審査通過。所要期間はわずか148日間であり、科创板が導入したIPO事前審査制度の初の対象案件として、スピード上場の先例を示した。

調達額面では、当初発行株式数は66.88億株、発行価格は8.66元。グリーンシューオプション(過剰割当権)を完全行使した場合、調達総額は666.07億元に達し、2020年の中芯国際が記録した532.30億元を上回り、科创板史上最大のIPOとなった。また、A株史上のIPO調達額ランキングでは第3位に位置し、農業銀行の685.29億元、中国石油の668億元に次ぐ規模である。

グリーンシューオプション行使前の579.19億元でも、これはA株では過去19年間で最大のIPO規模であり、2026年におけるアジア最大のIPOでもある。

投資家からの応募熱も異常なほど高かった。ネットを通じた有効応募口座数は942.88万件、有効応募株式数は8169.20億株に上った。引き当て後のネット最終発行株数は38.51億株で、当選確率(中籤率)は0.47141739%となり、科创板史上最高を記録した。

1単位(500株)を初値で売却した場合の利益は2万420元に達し、新規公開株式の投資(IPO投資)による利益実現が明確に示された。ネットと機関投資家向けの合計放棄引き受け率は0.17%と極めて低く、市場の強い関心がうかがえる。

取引面でも、本日の昼休み時点までに、長鑫科技の単日取引高は1221億元に達し、A株個別銘柄の単日取引高として歴史的新記録を樹立した。初時時間の出来高比率(換手率)は53%を超え、流動株式のほぼ半数が取引されたことになる。このような「巨額取引+超高換手率」の組み合わせは、新規上場銘柄では前例のない現象である。

評価面では、珍しい「矛盾体」が見られる。発行時のプライシングは、2025年の調整後PER(純利益ベース)で308.92倍と、業界平均の76.32倍を大きく上回っている。しかし、長鑫科技が示した業績ガイダンス(2026年上期の親会社帰属純利益500億570億元、売上高1100億1200億元)を線形外挿すると、現在の時価総額に対する先行PERは約5~6倍に過ぎず、非常に割安に見える。また、発行後のPBR(株価純資産倍率)は5.06倍で、同業他社の平均9.30倍を下回っている。

戦略的割当(ストラテジックアロケーション)には30の機関が参加。全国社会保障基金の36のファンド商品が約75億元を割り当てられ、中国人寿、中国人保などの保険会社、そしてメモリ関連企業の澜起科技、中微公司、拓荊科技なども名を連ねた。国家レベルの長期資金が明確に支持している構図が浮き彫りになった。

時価総額の観点では、長鑫科技の初値3.31兆元は、寧徳時代(約1.84兆元)、貴州茅台(約1.61兆元)、建設銀行を上回り、香港市場に換算すると3.65兆香港ドルを超え、騰訊(約4.03兆香港ドル)に肉薄する規模となった。

しかし、世界的な視野では、三星電子(約6.66兆元)、マイクロン(約6.8兆元)、SKハイニックス(約5.66兆元)が依然として上位を占めており、長鑫科技はグローバルトップ3との差はまだ大きい。

長鑫科技は、中国最大かつ技術的に最も完全なDRAMのIDM(設計・製造一貫)企業であり、生産能力は世界第4位。その上場は単なる企業の資本市場進出ではなく、A株におけるハードテック株式の比重再編と、中国国内におけるメモリの自主・自立化の重要な節目を意味している。記録の達成後は、景気循環の変動と実際の業績達成が、より長期的な試練となるだろう。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:資金調達
  • 製品・サービス:DRAM / メモリ半導体