騰訊 (00700-HK) は最近、AI分野でかつてないほどの攻勢を見せています。内部の組織再編と複数の「智能體」(エージェント)製品の相次ぐリリースにより、AI技術の研究開発から実際の生産性向上への大規模な展開へと加速しています。
姚順雨氏が混元AIの「ナンバーワン」に
モデル開発の協調性を高めるため、騰訊は7月23日に二元体制を終了し、多モーダルモデル部門と大規模言語モデル部門を統合して「基礎モデル部」を正式に設立しました。
この部門は、騰訊の首席AI科学者である姚順雨(よう・じゅんう)氏が統括しており、彼の権限は大規模言語モデルから、言語、多モーダル、強化学習、エージェントなど、基礎モデル全領域の開発を統括するまで拡大しました。この動きにより、混元モデルはリソース統合のフェーズに入り、画像、動画、音声、3D生成をカバーする包括的なモデルマトリクスの構築を目指しています。
MioraからWorkBuddyへ:全シーン対応の展開
騰訊のエージェント技術への注力は、製品面でも急速に実を結んでいます。7月22日、騰訊は国内初のマルチエージェント協働型クリエイティブスタジオ「Miora」を発表しました。ユーザーは要望を入力するだけで、システムが自動的に複数のエージェントを調整して、画像、動画、3Dコンテンツの制作を完結させます。これにより、専門的なクリエイティブ作業のハードルが大幅に下がりました。
オフィス分野では、「WorkBuddy」が好調で、6月の月間アクセス数が2000万を突破し、国内のPC向けAIネイティブオフィスエージェント市場で首位を維持しています。WorkBuddyはすでに独立したアプリとしてリリースされ、鴻蒙(ホンメイ)OSにも対応。さらに李未可と提携して「X-AIメモリーアイウェア」を発売し、AIの入口をウェアラブル端末へと拡大しています。これにより、従来のAIが抱えていた文脈記憶の欠如という課題を解決しています。
コスト効率と企業導入の壁を突破
業界の「パラメータ増強」競争とは異なり、混元Hy3モデルは「コストパフォーマンス」を重視するプラットフォーム型戦略を採用しています。騰訊クラウド副社長の呉運声(ご・うんせい)氏は、中国企業のアプローチは知能レベルを確保しつつ、より高いコスト効率を追求していると指摘します。企業の商用フェーズでは、わずかな性能向上よりも推論コストが重要だからです。
しかし、エージェントの実用化における最大の障壁は技術ではなく、企業が保有する既存システムとの統合の難しさです。呉氏は、多くの旧式システムが標準化されたインターフェースを欠いており、エージェントが直接呼び出せない状況だと強調しています。この課題に対応するため、騰訊はADP企業向けエージェント開発プラットフォームを提供。観測性と監査可能性を備えたフルプロセス対応により、金融・政府などの業界が求めるセキュリティとコンプライアンス要件を満たしています。
エージェント時代のApp Storeを構築
騰訊の最終的な目標は、活発なスキルエコシステムの構築です。現在、SkillHubには7万8000のAIスキルが蓄積されており、SkillPayによる決済システムと組み合わせることで、開発者がスキルを登録し、ユーザーが呼び出して支払いを行うというビジネスの閉じた循環が形成されています。
騰訊は、BtoB市場では単独での展開は困難であり、今後も基盤プラットフォームとモデル能力を提供することで、業界パートナーと連携し、エージェントの規模拡大を推進していくと述べています。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:新製品
- 製品・サービス:Miora / WorkBuddy