複数の海外メディアが30日(木)に報じたところによると、マイクロソフト(MSFT-US)とMeta(META-US)は、ともに1000億ドル以上を投じてAIデータセンターを拡張しているが、最新の財務報告に対する市場の評価は正反対となった。重要なのは、両社がAIの恩恵を受けているかどうかではなく、膨大な資本支出が収益、利益、そして自由キャッシュフローにどれだけ迅速に転換されるかという点にある。

マイクロソフトの株価は30日15.51%も上昇し、2008年以来の最高の1日上昇率を記録した。一方、Metaの株価は8%近く下落し、11営業日連続の下落となり、上場以来最長の下落記録を更新した。この期間の累計下落率は20%を超える。

両社とも最新四半期の売上高は堅調に成長しているが、差異はAIの収益化モデルにある。マイクロソフトは、AzureクラウドサービスとCopilotソフトウェアを通じて、比較的明確なAI収益化モデルを構築している。一方、MetaのAIインフラは主に内部利用に限定されており、投資効果は広告事業に反映されているものの、直接的な課金収入源として確立されていない。

マイクロソフトの最新四半期の売上高は市場予想を上回った。Azureの売上高は前年比43%増と、アナリストの予想を上回る成長を遂げた。Microsoft 365 Copilotの有料アカウント数は3000万件を超え、4月に発表した2000万件以上からさらに増加しており、企業顧客のAIツール導入が加速していることが示された。

マイクロソフトのエンタープライズソフトウェア部門の売上高は、16四半期連続で市場予想を上回っており、生成AIが従来のソフトウェアサブスクリプションモデルを破壊するという懸念を一定程度払拭している。Azureを含むインテリジェントクラウド部門は、減価償却費の増加という圧力に直面しているものの、運用効率の改善により、営業利益率を前年同期と同水準に維持している。

キャッシュフローの差が両社の評価を分ける要因となった。マイクロソフトは資本支出を差し引いた後でも、四半期で約200億ドルのキャッシュフローを創出しており、株式買い戻しや今後の投資を十分に賄える水準にある。同社は2026会計年度の資本支出見通しを据え置き、2027年度の支出拡大を示唆しているが、投資家はAzureとCopilotの成長が投資回収が始まっていると評価している。

一方、Metaのコア広告事業も好調である。同社の第2四半期売上高は前年比28%増と、2021年のパンデミックによる急成長以来の最高成長率を記録した。広告インプレッション数は14%増、平均広告単価は12%上昇しており、AIによるレコメンドや広告配信ツールがプラットフォーム効率を改善していることが反映されている。

しかし、好調な売上成長は支出の圧力に覆された。Metaの四半期自由キャッシュフローは前年比91%減の7億8400万ドルにとどまり、資本支出を差し引いた後では「ほとんど現金が残っていない」状態であり、すでに3四半期連続で株式買い戻しを停止している。

同社の研究開発費は前年比67%も急増し、四半期売上高に占める比率は36%に達した。営業利益率は前年比12ポイント低下し、1株当たり利益(EPS)も市場予想を大きく下回った。

同社の今四半期の売上見通しは610億640億ドルで、中央値は625億ドル。これはアナリスト予想の631.5億ドルを下回っている。

両社の最も根本的な違いは、AI演算リソースの用途にある。マイクロソフトはAzureを通じてデータセンターの容量を外部顧客に貸し出すことができ、Copilotではソフトウェアサブスクリプション料を徴収できるため、資本支出が収益に直接つながりやすい。

一方、Metaが新設したAIサーバーは、主に内部のモデル学習、推論、製品開発に使用されており、Azureのような成熟した外部課金プラットフォームが存在しない。

MetaのCEOであるザッカーバーグ氏は、他社から計算資源のリース要請が多数寄せられており、相手がMetaの設置コストを上回る価格を支払う意思があると述べ、将来クラウドサービスを展開する可能性を示唆した。

しかし、CFOのスーザン・リー氏は、現時点では計算能力を自社の学習・推論ニーズに優先的に使用しており、外部リースの具体的なモデルやスケジュールは不明瞭であると述べた。

マイクロソフトとMetaの株価の分かれ道は、市場がテック大手のAI投資拡大に反対しているわけではないが、より具体的な財務的リターンを求め始めていることを浮き彫りにしている。

マイクロソフトは、Azureの成長、Copilotの有料ユーザー数、豊富なキャッシュフローによって投資効果を証明している。一方、MetaはAIで広告収入を伸ばしているものの、資本支出の増加、自由キャッシュフローの急速な縮小、新たな収入源の未確立という状況下で、AI戦略に対する許容範囲が明らかに狭くなっている。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:ニュース
  • 関連組織:Microsoft / Meta
  • 製品・サービス:Azure / Copilot