アメリカ公債利回り曲線は、連邦準備制度理事会(Fed)が今週の会合で金利を据え置いたことを受けて急激に急勾配化した。短期の利回りが低下する一方で、長期の利回りが大幅に上昇したことで、市場がますます「Fedが本当に利上げを続けるのか」と疑念を強めていることが浮き彫りになった。また、中央銀行のインフレ抑制への決意や政策の信認性についても懸念が広がっている。
Fed議長ワラー氏は今週水曜日、物価上昇圧力が和らがない限り、意思決定当局は躊躇なく行動すると強調した。しかし市場の反応は、投資家がFedが積極的な利上げサイクルを開始するとは信じていないことを示している。
Fedは今回、金利を据え置いたものの、3人の当局者が利上げを主張して反対票を投じた。声明発表直後、すべての満期の米国債利回りは一時的に下落し、投資家が即時の利上げ回避を安心材料としたことがうかがえた。しかし、その後の市場動向は明確な分岐を見せ始めた。短期の利回りはさらに低下した一方で、長期国債の利回りは急騰した。特に30年物の利回りは19年ぶりの高水準に達した。
CreditSightsのグローバル経済・投資グレード債券戦略責任者であるザカリー・グリフィス氏は、このような値動きを「ねじれ型スティープ化(twist steepener)」と表現し、「Fedの政策に対する不健全な反応」と評した。
利回り曲線の急勾配化は木曜日も続いた。2年物と10年物、2年物と30年物の利回り格差はさらに拡大した。Truist Wealthの固定収益部門取締役兼最高責任者であるチップ・ヒュイ氏は、この「ねじれ」現象は、市場がFedが急激な利上げサイクルを展開しないと考えていることを示唆していると指摘した。これは経済成長には好都合かもしれないが、インフレ対策におけるFedの取り組みにさらなる不確実性をもたらす。
アナリストらは、Fedが利上げを見送った理由の一つとして、追加の利上げがなくても金融環境がすでに明らかに引き締まっている点を挙げている。ワラー氏は、市場が事実上Fedの仕事を代行していると述べており、投資家が最新の経済データに基づいてポジションを調整することで、名目利回りとインフレ調整後の実質利回りの両方が上昇しており、Fedの政策誘導に完全に依存していないことを示している。
10年物米国債利回りは7月に入ってから25ベーシスポイント上昇し、3月以来最大の月間上昇幅となった。しかし、今回の曲線の急勾配化は典型的な「熊市的スティープ化」とは異なる。通常はすべての満期で利回りが上昇するが、長期の方がより大きく上がる。今回はむしろ短期が下がり、長期が上がるという逆方向の動きであり、近未来の金利見通しと長期的なインフレリスクに対する市場の認識が分離していることを示している。
来週発表される7月の非農業部門雇用統計は、こうした市場の見方を検証する重要な試金石となる。グリフィス氏は、雇用データが予想を上回れば、Fedが今回合わせて利上げすべきだったという批判が強まり、利回り曲線の急勾配化がさらに進む可能性があると指摘した。一方で、弱いデータであれば、Fedがインフレ対応で後手に回っているという懸念が和らぎ、現在のトレンドが急速に反転する可能性があると述べた。
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- 出典:PR Times
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