アメリカ製造業は人工知能(AI)投資のブームを受けて、7月に4年ぶりの最も速い成長を遂げた。しかし、サプライチェーンの逼迫と高止まりするインフレ圧力が、産業の発展を妨げる足かせとなっている。
市場関係者の注目を集めるISM製造業景気指数は、6月の53.3%から7月には55.6%へと上昇した。指数が50%を超えると景気拡大を示す。ある金属部品メーカーの幹部は、ISMに対して「ビジネス状況は依然として堅調で、収益は3%から5%の成長が見込まれる」と語った。
しかし、企業は金属、肥料、半導体チップなど、重要な供給品の調達が困難な状況に直面している。また、納期の見通しも立たない。供給不足はコスト上昇を招き、米国のインフレ圧力をさらに強めている。
ある電気機器メーカーの幹部は、「価格の変動と納期の延長は、パンデミック時よりも深刻かもしれない」と指摘した。別の金属メーカーの幹部は、「金属市場に正常化の兆しは見えない。今では、むしろパンデミック時の混乱の方が予測しやすかったとさえ思う」と語った。
ISMは毎月、製造業の経営幹部を対象にアンケート調査を実施し、業界の動向を把握している。米製造業は約1300万人を雇用しており、依然として米国経済の柱である。
データによると、将来の販売を示唆する「新規受注指数」は56.7%まで上昇し、7か月連続で拡大した。
また、製造業の雇用指数は年初から回復傾向にあったが、7月には49.7%から52.8%へと跳ね上がり、34か月ぶりに拡大領域に入った。政府の統計によると、製造業は今年に入ってから累計で8万1000人の雇用を増やしており、昨年の13万5000人の雇用削減の反動を払拭しつつある。
一方で、インフレ圧力を反映する「物価指数」は71.1%まで低下し、5か月ぶりの低水準となった。これは、米国とイランが一時停戦合意に達したことで、原油価格が下落したことが主な要因である。
全体として、米製造業は「良い面と悪い面が混在する」状況にある。一方では、AI投資の高まりによる強い需要の恩恵を受けているが、他方では、イラン情勢の緊張、エネルギー価格の上昇、トランプ政権の新たな関税政策が、完全な景気回復を妨げている。
こうした中、製造業者は依然として慎重な姿勢を保っており、特に新たな人材の採用には控えめになっている。今後のイラン情勢の展開は、企業の業績見通しに大きな影響を与えるだろう。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:調査
- 原文内の日付:34か月ぶり
- 製品・サービス:半導体チップ