予防医療領域における検査サービスを展開する、株式会社プリメディカ(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:田中 友英、以下「当社」)は、京都府立医科大学および摂南大学と、日本人特有の5つの腸内細菌タイプ(以下「エンテロタイプ」)と日常的な食事・栄養摂取との関連を解析した共同研究(以下「本研究」)を実施しました。
また、本研究の成果をまとめた論文「Assessment of nutrient intake by gut microbiota enterotype in Japanese subjects」が、腸内細菌と健康との関係を扱う国際学術誌『Gut Microbes Reports』に、2026年7月30日付で掲載されました。
本研究では、長寿地域として知られる京都府 京丹後市の住民770名を対象に、腸内細菌の構成と食事・栄養摂取の関係を解析しました。AIを活用した解析により、日本人特有のエンテロタイプごとに、異なる食事傾向がみられることを明らかにしました。
本研究のポイント
京都府 京丹後市に在住する65歳以上の日本人770名を対象に、腸内細菌と日常的な食事・栄養摂取との関連を解析
主要指標 — KEY FIGURES
AIの手法である「XGBoost」とその判断を可視化する「SHAP値」を組み合わせて活用し、多角的に解析
日本人特有の5つのエンテロタイプごとに、食事・栄養摂取の特徴を明らかにした
研究の背景
腸内細菌は、食事や生活習慣などさまざまな要因の影響を受け、その構成には個人差や地域による違いがあることが知られています。
京都府立医科大学と摂南大学、当社によるこれまでの共同研究では、日本人1,803名の腸内細菌を解析し、日本人の腸内細菌には欧米人とは異なる特徴があること、また腸内細菌の構成によって大きく5つのタイプ(Type A~E)に分類できることを明らかにしていました。※1
一方で、「各エンテロタイプと日常的な食事パターンとの関連」については、これまで十分な解明がなされていませんでした。
そこで本研究では、これまでに定義した日本人特有の5つのエンテロタイプと、日常的な食事・栄養摂取との関連性について解析を行いました。
Takagi T, et al.Assessment of nutrient intake by gut microbiota enterotype in Japanese subjects,Gut Microbes Rep. 2026 Jul 30;3(1):2705623 (一部改訂)
※1:Takagi T, et al. Typing of the Gut Microbiota Community in Japanese Subjects. Microorganisms. 2022;10(3):664.
研究概要
研究課題名:日本人成人の腸内細菌叢エンテロタイプにおける栄養素摂取量の評価(Assessment of nutrient intake by gut microbiota enterotype in Japanese subjects)
論文受理:2026年7月10日
研究者:
京都府立医科大学大学院 医学研究科 生体免疫栄養学講座 教授 内藤 裕二
京都府立医科大学大学院 医学研究科 消化器内科学 教授 髙木 智久
摂南大学 農学部 応用生物科学科 動物機能科学研究室 教授 井上 亮 ほか
対象者:京都府京丹後市に在住する65歳以上の地域住民
参加者数:770名(男性299名、女性471名)
調査方法:
①腸内細菌叢の解析(16S rRNA遺伝子プロファイルに基づくサポートベクターマシンを用いた5つのエンテロタイプへの分類)
②日常の食事・栄養素摂取量の評価(簡易型自記式食事履歴質問票:BDHQの算出データを使用)
③機械学習(XGBoostモデルおよびSHAP値)と線形判別分析(LDA)を組み合わせた統計的解析
研究承認番号:京都府立医科大学倫理委員会承認番号 ERB-C-885-9 および ERB-C-2182-18
栄養素の摂取量と腸内細菌属の相関を示したヒートマップ
Takagi T, et al.Assessment of nutrient intake by gut microbiota enterotype in Japanese subjects,Gut Microbes Rep. 2026 Jul 30;3(1):2705623 (一部改訂)
新たに得られた示唆
解析の結果、タイプごとに明確な食事傾向の違いが確認されました。
具体的には、以下のような特徴がみられました。
各エンテロタイプの食事傾向
Type A
動物性たんぱく質や脂質をはじめ、複数の栄養素の摂取量が比較的多い傾向がみられました。
Type B
三大栄養素などを含め、特定の栄養素に大きく偏らない食事傾向がみられました。
Type C
炭水化物の摂取が比較的多く、その他の栄養素の摂取量が少ない傾向がみられました。
Type D
牛乳などの乳製品や納豆の摂取量が多い一方、菓子やジュースなどの間食に関連する食品の摂取量も多い傾向がみられました。
Type E
魚やレバーなどのたんぱく質を多く摂取する一方、脂質の摂取量は比較的少ない傾向がみられました。
また、全てのエンテロタイプに共通して「食物繊維不足」と「塩分過剰摂取」の傾向が見られました。
今後の展望
本研究で得られた、エンテロタイプごとの食事・栄養摂取の特徴は、個人の腸内環境に応じた食事支援を実施する上で重要な基礎的知見です。本成果をもとに、エンテロタイプ別のレシピ開発や個人の腸内細菌に合わせた食事提案サービスの提供など具体的なサービス展開を目指します。
一人ひとりの腸内環境に合わせた食事提案を通じて、健康的な生活習慣の形成を支援することで、健康寿命の延伸や生活習慣病の予防といった社会課題の解決を目指すとともに、産学連携の取り組みを通じて次世代の予防医療の発展に貢献してまいります。
論文情報
掲載誌:Gut Microbes Reports
掲載日:2026年7月30日
論文タイトル:Assessment of nutrient intake by gut microbiota enterotype in Japanese subjects
DOI:10.1080/29933935.2026.2705623
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13432868/
参考:エンテロタイプとは?
腸内細菌の構成パターンに基づいて、個人をいくつかのグループに分類した「腸内細菌のタイプ」のこと。京都府立医科大学・摂南大学・当社の共同研究により、日本人の腸内環境は5つに分類できることが明らかになりました。
会社概要
重大疾患の発症リスクを早期に判定する検査の研究開発/マーケティング/販売など予防医療に特化した事業を展開しています。脳梗塞・心筋梗塞の発症リスク検査「LOX-index」、腸内フローラ検査サービス「Flora Scan」をはじめとする疾患リスク検査サービスを、全国4,800施設以上の医療機関を中心に提供しております。提供している検査サービスは、2026年6月現在で累計150万人以上の方にご受検いただき、健康管理に役立てていただいております。
本社:東京都港区芝5丁目26番20号 建築会館7階
設立:2010年7月
代表者:代表取締役社長 兼 CEO 田中 友英
事業内容:予防医療事業、研究開発・測定事業、Well-being事業、健診機関コンサルティング事業
※本リリースにおける「予防医療」とは、疾病の診断・治療等の医療行為を指すものではなく、
検査結果や情報提供を通じて、生活習慣の見直しや健康意識の向上を支援する取り組みを意味しています。
※「LOX-index」と「Flora Scan」は、当社の登録商標です。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:press_release
- 関連組織:株式会社プリメディカ