「セーブ・ザ・チルドレン」(拠点:英ロンドン)の調査によると、紛争や暴力によって家を追われる子どもの人数は2025年に過去最多となり、1日平均3万5,000人の子どもたちが新たに避難を余儀なくされていることが明らかになりました。

国内避難民の動向を追跡するIDMC(国内避難民監視センター)の2025年の最新データによると、世界で生じている避難の主な要因について、紛争が気候変動を上回り、初めて最大の要因となりました。

セーブ・ザ・チルドレンの分析によると、2025年には紛争や暴力により、子どもの国内避難は約1,300万件にのぼり、2024年約900万件から46%増加しました。

コンゴ民主共和国やスーダン、イラン、パレスチナなどでは、紛争や暴力によって、多くの子どもたちが避難を余儀なくされました。

IDMCでは、国内避難を「国内での移動の回数」として数えており、同じ人が年に何度も移動を強いられる場合も含まれます。

世界の子どもの5人1人以上が紛争地域で生活、2010年比で60%増加

避難の増加の背景には、これまで以上に多くの子どもが紛争や暴力の中で生活している現状があります。セーブ・ザ・チルドレンの2025年の報告によると、2024年には過去最多となる5億2,000万人、すなわち世界の子どもの5人1人以上が紛争地域で暮らしており、2010年以降で60%増加しています。さらに、子どもに対する重大な権利侵害(殺害、負傷、性暴力など)の件数は同期間に373%増加しており、紛争の深刻化が浮き彫りとなっています。

2025年には、3,270万人の子どもたちが国内避難の状況にあり、そのうち5人4人以上が紛争や暴力から逃れるために避難しています。さらに、2024年の最新データでは、1,900万人を超える子どもたちが難民または庇護申請者として自国を離れて生活しています。

避難を余儀なくされた親子の切実な実情

サラマさん(35歳)は、コンゴ民主共和国東部での暴力から逃れるため自宅を離れ、土地や家財を残して避難しました。7人の子どもを抱え、厳しい生活を強いられています。同国では、紛争により約560万人が避難を余儀なくされており、そのうちおよそ250万人が子どもです。

サラマさんは次のように話します。「鍋や服、寝具など、すべてを置いてきました。何もないところからの再出発です。ここでの暮らしはとても大変で、特に土地を持っていないと、さらに厳しいのです。」

サラマさんの子どもの一人、ガブリエルさん(1歳)は、麻しんの発症後、重度の急性栄養不良となり、危険な状態に陥りました。コミュニティの保健員やセーブ・ザ・チルドレンの支援により無償の医療を受け、現在は回復に向かっていますが、家族は依然として避難と貧困による厳しい状況に置かれています。

セーブ・ザ・チルドレンの移住や避難に関するシニアアドバイザー、メリンダ・ヴァン・ザイルよりコメント

昨年、紛争や暴力により、1日平均で3万5,000人以上の子どもたちが避難を余儀なくされました。コンゴ民主共和国やガザ地区、スーダンなどでは、複数回にわたり避難を強いられる子どももいます。

その数字の大きさには圧倒されますが、避難を余儀なくされた子どもは、単なる“数”ではありません。その一つひとつの背景には、暴力や破壊を目の当たりにし、学校や友人、地域社会を離れて、不安定な未来に向き合う子どもたちがいるのです。

各国政府は、紛争の予防と平和の促進に向けて行動を強化し、子どもたちが避難を強いられないように守るとともに、責任の所在を明確にする必要があります。あわせて、人道支援が安全かつ継続的に届けられる体制を確保し、避難を余儀なくされた子どもたちが、ニーズに応じた支援や長期的な解決策を受けられるようにすることが求められます。

<セーブ・ザ・チルドレンとは>

1919年にイギリスで創設。すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する権利が実現された世界を目指し、現在、世界約100ヶ国で子ども支援活動を行う国際NGOです。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは1986年に創立され、本年5月7日に創立40年を迎えました。緊急・人道支援、保健・栄養、教育、防災、子どもの保護、子どもの貧困などの分野で、国内外で活動しています。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:調査
  • 関連組織:IDMC(国内避難民監視センター)
  • 製品・サービス:子ども支援活動