住友グループが文化支援事業の一つとして立ち上げた住友財団の助成を受け、修理がなされた作品の数々を披露する特別展「文化財よ、永遠に2026 -次代につなぐ技とひと」が開催されています。今回は京都を中心とした関西地方に所在する修理案件から約30件を三期にわたり紹介。美しくよみがえった作品とともに、それらが直面した問題や、検討のすえ選択された修理方法、そして保存への道などが紹介されています。
現在開催中の第II期(5月9日〜5月31日)では、乙訓寺所蔵の重要文化財「十一面観音立像」が注目の的となっています。制作から供養までをわずか一日で完了させる「一日造立仏」である本像は、この度の修理で体部から200点を超える古文書が発見され、文永5年(1268)に奈良で造られたことが判明。この発見により京都府暫定登録文化財から国指定重要文化財へと昇格しました。
また、泉屋博古館所蔵の重要文化財「水月観音像」(1323年、徐九方筆)も展示。画絹を90度回転させて使用していたため強度が不足し、瀕死の状態にあった本作に対し、高密度の「折れ伏せ」補強や裏打紙の刷新といった緻密な修理が施され、本来の美しい姿を取り戻しました。
6月2日からは第III期が始まり、江戸時代の優美な「紅縮緬地熨斗文友禅染振袖」や、鮮やかな色彩が守られた14世紀の「薬師十二神将像」などが登場します。作品解説だけでなく、修理の工程や携わった人々の情熱を伝える公式図録も好評発売中です。
FACT BOX ・ 要点整理
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