米国株式市場に「二重のバブル」の兆しがあると、英国投資銀行Panmure Liberumのアナリスト、ヨアヒム・クリーメント(Joachim Klement)氏とフランシスカ・レイス(Francisca Reis)氏が最近の報告で警告しています。彼らは、S&P 500指数の現在の評価額は利益の約41倍に達しており、20年以上前のネットバブル期に匹敵する水準に近づいていると指摘しています。

アナリストらは、現在の高値は単なる「価格バブル」ではなく、「利益バブル」も同時に進行していると分析。企業の利益成長が長期トレンドから乖離しており、これが持続可能かどうかが市場の鍵になると述べています。

一方、ドイツの経済を支えてきた「ミッテルシュタント(Mittelstand)」と呼ばれる中小企業群が、中国メーカーの台頭により厳しい競争にさらされています。EYが5月に発表した報告によると、2022年2月から2026年初頭にかけて、ドイツの工業生産は約10%減少。エネルギー集約型産業では15%以上も落ち込んでいます。また、工業分野では毎月1万人以上の雇用が失われており、中国製品の低価格競争が大きな圧力となっています。

一方で、かつて携帯電話で知られたノキア(Nokia)は、AIブームに乗って再浮上しています。現在のノキアは、AIデータセンター向けの基盤技術を提供する企業に転換。これにより、今年の株価は約90%上昇しました。アナリストのダリル・スクーラー(Daryl Schoolar)氏は、この上昇は「AI光环(エイアイこうかん)」によるものだと評価しつつも、持続性には疑問を呈しています。

米国の労働市場については、2025年後半に月平均8,000人の雇用減少が続いていたものの、2026年に入ってからは月平均9.2万人の雇用が増加するなど、回復傾向にあります。経済学者の間では、ベビーブーマー世代の早期退職が労働力の減少を招き、結果として雇用統計が安定している可能性があるとの見方が広がっています。

さらに、中国電気自動車(EV)の欧州進出も注目されています。特にフィンランドでは、中国製EVに対する警戒感が強く、プライバシー侵害や「リモート制御装置」の搭載、購入資金が中国共産党に流れることへの懸念が消費者の購買意欲を抑制しています。現地ディーラーが比亚迪(BYD)を展示しても、信頼の構築には時間がかかる状況です。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:調査
  • 関連組織:Panmure Liberum / EY / Nokia
  • 製品・サービス:AIデータセンターインフラ