賴清德総統は先週、中科院の無人機開発状況を視察し、立法院が『国防特別予算』を削除し、野党が別途『無人機特別条例』を提出したことに対して強い不満を示した。国軍の幹部や兵士たちが職務に専念できるよう、予算を通すよう要請。「彼らを立法院に閉じ込めて、時間を無駄にさせるべきではない」と訴えた。

賴清德はまた、国防相の顧立雄の発言に同調し、「米を買うお金と醤油を買うお金は別だ」と強調。野党が提案する無人機条例では主管機関が経済部となり、国産無人機は商用・民用に限定され、軍事的ニーズに合わないと指摘した。しかし一方で、政府は経済部に440億円以上を投じて産業チェーンを構築させ、「国防部が求める無人機の生産を支援」とも述べた。軍用仕様ではないのに、国防部が必要とする無人機を生産できるという主張に、一貫性があるのか疑問が呈されている。

皮肉なことに、賴清德の発言直後、野党議員が3か月連続で3件の軍需契約が履行不能となり契約解除されたと暴露。顧立雄国防相を「解約大臣」と皮肉った。これら3件は、半年前に議員が厳しく追及し、顧立雄が反論した「緑友友(政権寄り企業)」案件だった。そのうち1件は「対無人機システム」で、3度の試験に不合格となり契約解除が決まった。この企業こそ、経済部が国防部に紹介した「創未來」である。

経済部が無人機の主管機関として、軍用仕様に合わない商用規格の企業を、軍用を求める国防部に紹介する構造に矛盾がある。立委の王鴻薇は、「創未來」の株主に賴清德と関係の深い大亜グループがいると指摘し、「緑友友」である可能性を疑問視した。また、経済部長時代に「創未來」を国防部に紹介したのは、顧立雄の妻・王美花だったことも判明した。

これに対し、顧立雄は「根拠のない誹謗中傷だ」と反論。2つの案件を混同していると主張し、前者は「委託案件」で2023年に終了、後者は「公開入札案件」であり、試験不合格なら支払いもないと説明した。つまり、損失は出ないと強調した。

しかし、この反論には説得力が欠ける。第一に、監察院の調査では、2022年8月、中国の無人機が金門の哨戒所を侵入し、国軍が石を投げて追い払うという事態が発生。9月に国家安全会議が「無人機防衛システム会議」を開催し、軍備局が経済部に業者紹介を求めた。2023年3月、経済部は4社を紹介したが、いずれも戦闘要件(レーダー探知距離5km)を満たしていなかった。

特に「創未來」は、他の3社より早く2022年9月に中科院と金門・烈嶼でテストを実施したが、基準未達。翌年3月14日、他の3社と共に宜蘭・大福兵試場で機能展示を行ったが、4社とも不合格だった。にもかかわらず、国防部(陸軍)は「委託案件」として契約し、予算を獲得。創未來に他社と統合して要件を満たす無人機計画を提出させるよう求めたが、最終的に統合失敗で契約解除となった。

第二に、2023年に委託案件が解除された後、国防部(陸軍)は2024年に26セットの無人機を調達する公告を出し、9.8億円の「無人機反制システム」入札案件を実施。驚くべきことに、得標したのは再び「創未來」だった。2025年1月に得標し、2月には賴清德総統が同社の王毓駒会長に「傑出情報人材賞」を授与。3月には蕭美琴副総統が同社主催のイベントに出席。5月には王会長が民進党立委が主催する「国防応用座談会」に招待された。

「創未來」が「緑友友」でないというなら、顧立雄が国家安全会議秘書長時代に同社に委託指示を出し、国防相に就任後も、試験不合格で他社統合もできなかった同社に採購契約を与える理由をどう説明するのか。単に「緑友友」と呼ぶのは公平ではない。王毓駒会長はカリフォルニア工科大学の電気工学博士で、交通大学で11年間教鞭をとり、学術から起業した典型。新興企業ブームに乗って2018年に創業。2019年に中科院と提携したが、その後破談。

「創未來」が9.8億円の入札に勝つ前、2024年5月に9億円以上のAラウンド資金調達を完了。この入札は投資家を守る保証となった。大亜グループ以外にも、台杉投資、華威投資、工業技術研究院子会社の革新技術移転が参加。台杉は、民進党政権発足後に国家発展基金以外に設立された「国家隊資金チェーン」だ。「創未來」が結んだのは王美花・顧立雄夫妻の「人脈」だけではない。そのネットワークは議員の想像をはるかに超えている。

残念ながら、マスク、迅速検査、ワクチンで「国家隊」はもはや汚名となりつつある。今、「創未來」が「軍需国家隊」に加わった。だが、この「国家隊」の中で「創未來」はまだましな方だ。他の履行不能案件を見てみよう。資本金1000万円の内装会社「福麦」が、5.9億円のRDX(海掃更)火薬原料調達案件を落札したが、インドからの輸出許可が得られず、契約解除中。軍が本来自製可能な105mm砲弾の生産ラインを停止し、外部調達を余儀なくされたが、韓国からの輸出許可もまだ得られていない。

これらすべてについて、国防部は明確な説明を出していない。国民が国防予算に信頼を寄せられるだろうか? 野党が予算を承認する理由があるだろうか? 国防予算は兆単位に膨らんでいる。無人機だけでも、与党案は5年間で2100億円、国民党案は6年間で2400億円(年次予算方式)、国民の党案は上限未設定。野党案では経済部と国防部の両方が含まれるが、主管と協管の違いだけ。創未來の事例から見れば、誰が主管か協管かは本質ではない。経済部が投資し、国防部が調達すれば、企業は両省庁から資金を得られる。『緑友友』かどうかは重要だが、『国家隊』に加われるかどうかがさらに重要だ。肝心なのは、失敗しないことだ。さもなければ、「創未來」1社3件の契約解除という事実が、野党による国防予算・総予算削減の正当性を強めてしまう。

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  • 出典:PR Times
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