世界で最も多くの国際観光客が訪れる都市はどこか? 答えはパリでもニューヨークでも、東京やソウルでもなく、タイの首都バンコクだった。国際市況調査会社ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)が発表した『2025年グローバルトップ100シティーデスティネーション指数』によると、バンコクは年間3030万人の国際観光客を迎え入れ、2025年に国際訪問者数が世界最多の都市となった。

ただし、バンコクが獲得したのは「国際観光客の到着者数」での首位である。観光政策、インフラ整備、安全性、持続可能性などの指標で総合評価した場合、世界の都市観光地ランキングでは依然としてパリがトップを維持している。

バンコクが3030万人の国際観光客を誘致した背景について、タイ政府副報道官のアイヤリン氏(Aiyarin Phanrit)は、「タイ観光産業の競争力の高さを示しており、政府による国際プロモーションの継続、観光環境の改善、サービス品質の向上が寄与した」と説明した。

バンコクが多くの観光客を惹きつける理由は、大宮殿、鄭王廟、臥仏寺といった文化的名所に加え、屋台料理、ナイトマーケット、ショッピングモール、多様な予算に対応する宿泊施設の豊富さにある。予算や旅行スタイルに応じた柔軟な旅程が組めるため、個人旅行から団体旅行まで幅広い層に支持されている。

さらに、バンコクは東南アジアの航空ハブとしても機能しており、チェンマイ、プーケット、サムイ島、あるいは周辺国へのアクセス拠点としても利用されている。このため、単なる観光地にとどまらず、交通の要所としても重要な役割を果たしている。

国際観光客がスムーズにタイに入国できるかどうかは、航空運航能力にかかっている。タイ航空無線株式会社(Aerothai)が公表したデータによると、タイの2025年度財政における航空便数は90万4796便に達し、年末の観光シーズンにはさらに増加した。

Aerothaiが2025年末に発表した冬季の運航スケジュールによると、2025年12月の便数は8万4543便。2026年1月には8万7835便に増える見込みである。同社は、2026年度の総便数が92万8165便に達する可能性があると予測しており、前年度比約3%の増加となる。そのうち、国際線は47万3364便と全体の半数以上を占める見通しだ。

バンコクが国際観光客の第一選択地となった背景には、単一の観光地の人気に頼るのではなく、航空交通、宿泊供給、食文化、ショッピング、周辺観光資源が一体となって支えている点が挙げられる。

台湾からの旅行者にとっても、バンコクは長年にわたり人気の目的地である。直行便の選択肢が多く、旅行商品が成熟しており、価格帯も幅広いため、自由旅行、団体旅行、ショッピング、都市型リゾートなど、目的に応じた柔軟なプランが立てやすい。このため、東南アジア旅行を検討する際の優先候補となっている。

2026年のタイ入国規定について、台湾パスポート保持者は依然としてビザ免除で入国可能で、滞在期間は最大60日まで。パスポートの有効期限は6か月以上残っていることが推奨され、帰国便のチケットと宿泊先の情報も提示が求められる。

また、すべての外国人旅行者は、タイ入国前に72時間以内に無料の「タイデジタル入国カード(Thailand Digital Arrival Card、TDAC)」をオンラインで提出する必要がある。フライト情報、旅行目的、滞在先住所などを申告するもので、必須手続きとなっている。

タイ政府が2026年に導入を進めているクラウド型入国アプリ「THIM」は、現時点では試行段階にあり、TDACの代わりにはならない。空港で乗り継ぎのみで、入国審査や税関エリアに入らない場合は、TDACの提出が免除される。

外務省は、TDACの申請は公式サイトで無料であるため、有料の非公式代行サイトを利用しないよう注意を呼びかけている。個人情報の漏洩や詐欺のリスクがあるため、公式チャネルのみを利用すべきである。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:調査
  • 関連組織:Euromonitor International / Aerothai
  • 製品・サービス:タイデジタル入国カード(TDAC) / THIMアプリ