日本のメディア人矢板明夫が日前襲撃され、政治的な風波を引き起こした。警方は迅速に香港籍の容疑者を逮捕した。事件が発生したのは、中国の「民族団結進歩促進法」(俗称:団促法)が施行された直後であり、一部の政治関係者やメディアは「跨境鎮圧」と指摘し、団促法との因果関係を即座に結びつけている。これは団促法を万能の脚本にしてしまう恐れがある。
「団促法」の脚本に「跨境鎮圧」の橋段が登場した。このような指摘は、高度に政治的かつ法律的な概念を伴う。単一の暴力事件を「枠組み」に当てはめることで、真に国家的背景を持つ「跨境鎮圧」の識別力を失わせる恐れがある。実際、団促法は民族の統一や国家の利益などの概念に関わるものであり、矢板明夫の襲撃がそれに関連するかどうかは、法律的な調査が必要である。暴力事件と統一の促進は、異なる次元の問題である。
矢板明夫の襲撃事件について考えるべきは因果関係であり、時間的な前後関係ではない。事件が発生したのが団促法施行後であるからとって、両者に直接的な関連性があると断定することはできない。時間を基に政治的な物語を構築すると、「穿鑿附会」の論理的誤りに陥る。先後順序を因果関係の成立とみなすと、自然と「跨境鎮圧」と未審先判することになる。「跨境鎮圧」は国際学界や民主国家から高い関心を持たれており、威権政権が法律、外交、ネットワーク、代理人などを利用して海外の異議人士を整肅する手段として注目されている。
矢板明夫の襲撃事件に「団促法」や「跨境鎮圧」のラベルを急いで貼る必要はない。まずは司法が犯罪動機を完全に解明する必要がある。証拠に基づいて初めて、各界の検証に耐えることができる。団促法を万能の脚本にするのではなく、証拠に基づいて事件を分析することが重要である。
* 作者はコラム採訪作家
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