中国の電動車大手BYDは28日、初のミニ純電動軽自動車(K-Car)を正式発表し、トヨタ(Toyota)をはじめとする日本国内の自動車メーカーに挑戦する姿勢を鮮明にした。これは同社の海外展開戦略の重要な一歩であり、創業者でCEOの王伝福氏が「5年以内にトヨタを販売台数で上回る」と語った野心の実現に向けた動きだ。

BYDはすでに世界最大の電動車メーカーとなったが、中国国内市場の成長鈍化や競争の激化を背景に、輸出を拡大する戦略を加速している。専用の自動車運搬船8隻を保有し、ハンガリー、ブラジル、タイ、インドネシア、ウズベキスタンなどに新工場を建設するなど、グローバル生産体制の構築を進めている。

今回発表された『Racco』は、日本の狭い道路や駐車スペースに適したK-Car規格の純電動車だ。政府の購入補助金を適用すれば、価格は200万円を下回る見込みで、約39.6万円(新台幣)となる。満充電時の航続距離は約210~320kmとされており、日産の『サクラ』(Nissan Sakura)など、日本で人気の電動軽自動車を上回る性能を誇る。

BYD日本法人の東福寺厚樹社長は、高額な税制によりガソリン価格が上昇していることに加え、人口減少によって地方のガソリンスタンドが急速に消えている現状を指摘。こうした中で、『ミスター・ビーン』の愛車のような小型で安価な電動車に大きな需要が生まれていると語った。

日本軽自動車協会のデータによると、2025年の軽自動車は日本全体の新車販売台数の36.5%を占めた。この市場が注目される理由は、日本政府が車両サイズや排気量660cc以下、出力47kW未満の車両に対して、税制優遇や保険料の割引といったインセンティブを提供しているためだ。

一方で、Raccoは価格競争力が高いものの、日本市場は長年、国産ブランドが支配してきた。外国企業が浸透するのは難しいとされる。実際、BYDは2025年に日本で3742台の電動車を販売したが、これは前年の68%増でありながら、日本の年間新車販売台数約450万台に比べれば、市場シェアは依然として極めて低い水準にある。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR Times
  • 分類:新製品
  • 関連組織:Toyota / Nissan
  • 製品・サービス:Racco