厚生労働省は8月から複数の新制度を開始します。これには、帯状疱疹後神経痛の治療に使用される新剤型の薬や、血友病患者の予防的治療に用いられる注射薬の健康保険給付が含まれます。血友病用の新薬は、1人あたり年間約1120万円の薬費が見込まれます。また、『精神衛生法』の改正に伴い、精神疾患の重症患者の強制入院は、8月1日から裁判所の裁定を経る制度に変更されます。
健康保険は、fitusiran sodiumを含む薬剤「QFITLIA Solution for subcutaneous injection 20 mg vial, 50 mg prefilled pen」(凡特凝皮下注射液)の暫定的な支払いを開始します。
厚生労働省は、この薬の給付対象を、12歳以上の重度A型またはB型血友病患者(抗体の有無を問わない)に限定し、予防的治療の選択肢として位置づけています。投与は2か月に1回の皮下注射で、患者の利便性が高まるとされています。初年度から5年間の治療対象者は115人から252人程度と予測され、総薬価は12.88億円から28.22億円に上る見込みです。財政への影響は3.54億円から8.43億円の範囲とされています。
また、pregabalinを含む薬剤「Regalin Oral Solution 20 mg/mL 〔CENTER〕」(立佳寧)についても、健康保険による暫定支払いが開始されます。
この薬は、糖尿病性周辺神経障害による神経痛、帯状疱疹後神経痛、成人の部分発作性てんかんの補助療法、線維筋痛症、脊髄損傷による神経痛の治療に使用できます。これまで国内ではpregabalin製剤はカプセルや錠剤のみでしたが、新たに液剤が追加されたことで、飲み込みが困難な患者にも臨床的選択肢が広がります。初年度から5年間の治療対象者は1896人から2471人程度と見込まれ、薬価総額は437万円から569万円。一方で、財政的には60万円から79万円の費用節減が見込まれます。帯状疱疹後神経痛の例では、1人あたり年間約3.3万円の薬費となります。
『精神衛生法』の改正により、精神疾患の重症患者の強制入院の決定権が、従来の「精神疾患強制鑑定・強制医療審査会」から「裁判所」に移管されます。これは「裁判官保留原則」の導入であり、専門家参審制度も併用されます。これにより、患者の医療的ニーズや社会的支援体制をより包括的に評価できるようになります。
新制度では、第一審の合議庭は1人の裁判官を審判長とし、指定された精神科専門医と患者権益代表を含む計3人で構成されます。裁定は過半数の意見で決定されます。この制度により、入院が必要な患者は適切な治療を受けられ、一方で入院を必要としない患者は地域で尊厳ある生活を送れることが期待されています。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:ニュース