中国国務院は7月31日、「国務院による出入国管理に関する規定」を公布し、2024年9月15日に正式に施行することを発表した。新規定は全19条で、出入国管理の規範化と国家主権・安全保障の維持を目的としている。
しかし、新措置により当局はより明確な出国制限権限を得ることになり、輸出管理や技術安全に関わる者に対しては直接出国を禁止できるようになる。また、この裁量権は県級以上の公安機関に委譲されており、出国許可の審査基準や透明性について懸念が高まっている。
新規定の第4条では、中国国民が輸出管理や技術の輸出入管理に関する規定に違反し、国家の産業安全や技術安全を損なう可能性がある場合、国務院の商務部門などの主管機関が「出国を認めない」決定を下すことができると明記している。
また、出入国申請のプロセスにも大きな変更が加えられる。従来は主に書類記入が中心だったが、9月15日以降は、移民管理機関による本人への質問に応じる必要があり、出国の身分や目的の真実性・合法性が確認される。招待状や証明書を発行する団体や個人は、その真実性について責任を負い、移民管理機関やビザ発給機関による照会に協力しなければならない。
出国制限の執行権限が県級以上の地方政府の公安機関の出入国管理部門に含まれる点も注目される。これまで「辺境管理(ボーダーコントロール)」と称される措置は透明性に欠けると批判されてきたが、今回の規定により法的根拠が明確化される。
決定機関は、出国を認めないとした人物に対し、移民管理機関に速やかに通知し、本人に対しても事実・理由・救済手段を文書で通知する必要がある。ただし、例外規定として、「国家安全や刑事事件の捜査に影響を与える可能性がある」場合は、本人に通知しないことも可能となっている。
さらに、海外旅行のリスクに関して、中国当局はリスク提示メカニズムを強化しており、中国国民が最高リスクレベルまたは重大な人身安全の危険がある国や地域へ渡航しようとする場合、「必要に応じて渡航を勧告・阻止する」としている。
外国人に対する管理も強化される。国境管理を妨害して刑事処罰を受けた、または不法出入国で行政処分を受けた外国人に対しては、処罰終了後1年から5年間、入国を認めない決定が移民管理機関により下される可能性がある。
また、出入国仲介サービスや留学・移民エージェントに対しても規制が強化され、関連業務を行う機関や個人は全面的に届出管理制度の対象となる。
中国司法部、公安部、国家移民管理局の関係者は、近年の跨境ギャンブルや通信詐欺などの違法活動の取り締まり、および技術の違法な国外流出を防ぐための産業・技術安全保障の観点から、今回の出入国管理の強化が行われたと説明している。
【主な規定内容と影響】
- 施行日:2024年9月15日(7月31日公布) - 審査プロセスの変更:移民管理機関による質問に応じ、出国意図と身分の真実性を確認 - 出国制限の対象:輸出管理・技術輸出入管理違反で産業・技術安全を脅かす可能性がある者 - 執行権限の委譲:県級以上の公安機関の出入国管理部門が対応可能 - 非通知条項:国家安全や刑事捜査に支障が出る場合は、本人に通知しないことも可能 - 外国人の処罰:不法出入国で処罰された場合、1~5年間の入国禁止
【Q&A】
Q1:中国の出入国管理新制度はいつから施行されますか? A:2024年9月15日に正式に施行されます(7月31日公布)。
Q2:誰が中国当局により出国制限を受ける可能性がありますか? A:違法犯罪の疑いがある者に加え、輸出管理や技術輸出入管理に違反し、国家の産業・技術安全を脅かす可能性がある者も対象となり、主管機関が出国を認めないと決定できる。
Q3:出国制限を受けた場合、必ず通知されますか? A:原則として、決定機関は本人に対し事実・理由・救済手段を文書で通知する。ただし、国家安全や刑事捜査に影響が出ると判断された場合は、通知されない場合もある。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
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